2012 Fiscal Year Annual Research Report
蘇生後症候群におけるRho-kinaseの役割解明
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22591738
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉富 修 長崎大学, 大学病院, 助教 (30380926)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 心筋虚血再灌流障害 / 心筋スタニング / 再灌流性不整脈 / α2-adrenergic agonist / カテコラミン / ホスホジエステラーゼIII阻害薬 / カルシウム感受性増強薬 / p38MAPK |
Research Abstract |
心筋における薬理学的プレコンディショニングについて検討することは、周術期管理において適切な薬剤の選択を可能とし、集学的かつ効率的な心筋虚血保護に大いに寄与すると考えられる。 ブタの心筋虚血再灌流モデルを用いてα2-adrenergic agonistであるデクスメデトミジン(DEX)の冠動脈内投与が心筋スタニングからの回復に与える影響と再灌流性不整脈に対する効果およびカテコラミン動態について検討した。DEXの虚血前投与は用量依存性に心筋スタニングからの回復を有意に改善させ、また再灌流性不整脈の抑制効果も認め、DEXの心筋虚血再灌流障害に対する直接的保護作用が明らかとなった。さらに、DEXは虚血再灌流による心筋ノルエピネフリン濃度上昇を抑え、また心筋の心内膜下血流維持作用も認め、これがDEXの心筋保護作用に関与していることが明らかとなった。この成果はShock. 2012 Jul;38(1):92-7 に掲載された。 同様のモデルを用いて以前ホスホジエステラーゼIII阻害薬ミルリノンの虚血前投与による心筋スタニングに対する保護作用にはp38 mitogen-activated protein kinase(p38MAPK)の活性化が関与することを報告した。今回このミルリノンの再灌流時投与による心筋保護作用とその機序についてカルシウム感受性増強薬レボシメンダンと比較検討した。ミルリノン、レボシメンダンともに心筋スタニングからの回復を有意に改善させた。ミルリノンの保護効果はp38MAPK阻害薬の前処置により抑制されたが、レボシメンダンの効果は抑制されなかった。再灌流時のレボシメンダン投与による心筋スタニングからの回復改善効果は、直接的陽性変力作用であることが示唆された。この成果はScand Cardiovasc J. 2013 Feb;47(1):50-7に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)