2011 Fiscal Year Annual Research Report
高濃度二酸化炭素暴露による付加価値赤血球が敗血症ショックに及ぼす影響
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22591749
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
芹田 良平 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (50245594)
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Keywords | CO2-hemoglobin血 / ショック / 死亡率 |
Research Abstract |
A.CO2-hemoglobin血および洗浄赤血球血の作成 ドナーラットから洗浄赤血球を作成し、100%CO2により脱酸素化、CO2-hemoglobin血(CO2-Hb血)を作成した。CO2-Hb血は、CO2により脱酸素化した生理食塩水で再び洗浄し、ヘマトクリット30%の洗浄血とした。 B.死亡率の検討 ラット20匹(Wister系ラット雄360~380g)を、pentobarbital麻酔下に内頚動静脈にカニュレーションし、静脈カテーテルより生理的食塩水を15ml/kg/hrで投与を開始した。その後、体重100g当たり3.1mlの脱血(Shock 2004 22(2):151)を行い、重度出血性ショックモデルを作成した。1時間後、無作為に2群に分け、脱血相当量のCO2-hemoglobin血(CO2-Hb group)または洗浄赤血球血(Control group)を内頸静脈カテーテルから投与した。輸血後24時間モニター下に観察し、死亡率を観察した。また、脱血前、脱血1時間後、24時間後に採血し、血液ガス分析装置(ABL 700 RADIOMETER COPENHAGEN)で血中の乳酸値を測定した。死亡率の検定には、Kaplan-Meier analysisとlog-lunk testを用い、経時的変化を測定した値には、反復測定分散分析を用いた。P<0.05のとき、有意差ありとした。 C.結果・考察 24時間後の死亡率は、両群とも0%で差はなかった。また、脱血前、脱血1時間後、24時間後の乳酸値は、有意な差を認めなかった(p=0.9)。前年度の研究により、CO2-hemoglobin血の出血性ショックに対する投与では、再灌流後の心拍出量を有意に高く維持することが示され、deteriorating factorの検討のために行った死亡率の検討では、洗浄赤血球投与群同様に24時間の死亡率は0%であり、他の重要臓器に与える悪影響は少ないと考えられる。乳酸値の変化は、両群とも同様の変化を示し、抹消循環の改善は示せなかった。
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