2011 Fiscal Year Annual Research Report
がん性疼痛におけるグリア細胞の役割~新しいがん性疼痛ストラテジーの作成~
Project/Area Number |
22591757
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
齊藤 理 独立行政法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (90344986)
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Keywords | がん性疼痛 / 疼痛管理 / 緩和医療 / グリア細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
当該年度は、申請者の勤務所属施設が変更となり、完全に下地のないところでの再開を余儀ない状況であったため、実験の準備に終始した。昨年度小動物用麻酔器を購入し、手術道具をそろえ、shamを用いてトライアルをしてきた。まだ、細胞移植にはいたっていないがPGE2とTNFαのELISAキットを購入し、研究協力者の大阪医科大学物理学教室の牧泰史助教に協力を仰ぎ、サイトカイン測定の準備も始まった。これは、この研究の一つのカギであり、がん性疼痛の際の、髄液中のサイトカインの変動をみるには必須の器具である。まずは、shamで測定を始めたいが、高価なキットで、密閉されたものであるため、がん細胞移植成功後にコントロールも同時に測定するのが、経済的であると判断した。 2010年11月には米国で開かれたsociety for neuroscience, annual meetingに参加し、University of California SanDiego, Department of AnesthesiologyのproffesorであるTony L.Yakshとも会合し、今後の研究課題への情報収集をおこなった。2010.8にはTony L.Yakshのもとで行った実験がpublishされ、British Journal of Pharmacology 2010 : 160 ; 175-64に掲載され、今回の実験の手法も認められると思われた。 ただしsetupに時間がかかったので、期間内に結果を出すためには、すでにモデルの作製実績のあるマウスでの検討を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は所属施設移動に伴い、研究設備・計画の変更をよぎなくされ、準備が整わなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな所属施設で実験環境を整えるのには時間がかかるため、研究協力者の千葉大学医学部麻酔科青江知彦准教授に協力を仰ぎ、千葉大学での研究再開を試みる。その際にはラットからマウスに変更し、確実にモデルを作成することによって、成果を出すことを目標とする。薬剤の中枢投与によるグリア細胞の抑制には、技術的にも時間がかかるため、ibudilastやminocyclineのsystemic投与によって、グリアの疹痛への関与を調べることを考慮している。
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