2012 Fiscal Year Annual Research Report
循環系平均充満圧及び有効循環血液量ガイドによる新しい血行動態最適化治療法の開発
Project/Area Number |
22591758
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Research Institution | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
Principal Investigator |
宍戸 稔聡 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (60300977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 欣洋 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (10572092)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 周術期管理 / 循環器 / 輸液療法 / 制御工学 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
麻酔開胸犬モデルにおいて、さらにシャント回路に改良を加え、より迅速に体循環と肺循環の循環血液を平衡状態とすることを可能とした。その結果、心停止時間をより長く観測することが可能となり、前年度まで用いていた強制循環平衡法から求められる循環系平均充満圧(MCFP)に対する補正係数を、不必要とすることができた。また、昨年度以上に一個体での繰り返し実験が可能となり、Guytonの循環平衡モデルを拡張した「2ポンプ+2血管床」の包括的循環モデルにおける静脈環流平面のパラメータ調整を行った。その結果、推定最大静脈還流量から計算されるMCFP(calMCFP)は、MCFP真値と良好な直線関係にあり(MCFP = 1.01 calMCFP + 0.43, r^2 = 0.891, p < 0.0001)、傾きとy軸切片の95%信頼区間は、それぞれ0.838 ~ 1.176と-1.431 ~ 2.285とidentity lineに極めて近似していた。 次に、低分子デキストラン(Dex)投与量とMCFPの変化について検討を行った。5例中2例において、高容量のDex投与にもかかわらずMCFPがほとんど変化しないという結果が得られた。そこで、推定最大静脈還流量から計算される有効循環血液量(V)を求めたところ、Vは投与量に比例して増加することがわかった。個体差はあるもののその傾きは、0.71 +/- 0.25(0.415 ~ 1.081)であった。この結果から、輸液量のガイダンスとしては、MCFPよりもVの方が制御対象としてロバストであると考えられた。 また、心不全症例に対するPhosphodiesterase III阻害薬投与の判断において、MCFPについては15 mmHg、Vにおいては25 ml/kgが一つの判断基準となる可能性が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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