2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNAによる泌尿器科癌の癌(抑制)遺伝子制御の研究
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22591759
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
冨田 善彦 山形大学, 医学部, 教授 (90237123)
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Keywords | マイクロRNA / 泌尿器科癌 / 遺伝子 |
Research Abstract |
【目的】EZH2はPolycomb Repressive Complex2(PRC2)のサブユニットの一つで、ヒストンH3K9やH3K27のメチル化に関与じ、遺伝子のepigenetic silencing、DNAのメチル化を通して、細胞の分化や増殖にかかわっている。これまでに、前立腺癌、膀胱癌、乳癌、大腸癌、膵癌、腎癌など、様々な癌で上昇の報告がなされている。しかしh、腎細胞癌では、癌で発現が増強しているという報告がある一方、減少しているとの報告もあり、一定しない。EZH2は、また、miR-101に調節を受けることも知られており、miR-101はEZH2の3'UTRから59-65塩基と114-121塩基の領域を標的としている。この研究で我々は、臨床検体を用いて、腎細胞癌でのEZH2の意義を明らかにするとともに、miR-101とEZH2に注目し、その機能制御の分子標的治療への応用の可能性について検討した。 【方法】臨床検体は免疫組織染色で110症例について検討した。細胞株はACHN,KRC/Y,Caki1,Caki2,A704,A498,KH39,KU19-20。生細胞についてはMTSアッセイで測定した。 【結果】臨床検体での検討から、EZH2は腎癌細胞の核で発現が上昇しており、EZH2強発現群はEZH2発現なし/弱発現群に比べて生存期間が有意に短いことが明らかになった。細胞株でも核で高発現していることが明らかになった。また、Pre-miR-101を腎細胞癌細胞株にトランスフェクションするとEZH2の発現が低下することが明らかになった。 【結論】以上より、腎細胞癌ではEZH2が子発現し、予後不良因子として考えられ、さらにmiR-101の導入がこのEZH2の発現と細胞増殖を抑制することが考えられ、分子標的治療の良い標的分子となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定した二つの分子GSK3βとEZH2に関係するマイクロRNAmiR-199aとmiR-101について検討が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
EZH2とmiR-101についてさらに検討を進めるとともに。GSK3βについてはマウスモデルでの検討に向けて研究を進めてゆく。
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Research Products
(3 results)