2010 Fiscal Year Annual Research Report
組織内エストロゲン定量による前立腺疾患リスクおよび伸展予測
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22591760
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柴田 康博 群馬大学, 医学部, 講師 (90344936)
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Keywords | 組織内 / ステロイドホルモン / 代謝 |
Research Abstract |
多数例での前立腺生検組織内のエストロゲン定量に先だって、測定の精度管理を検討するために前立腺全摘出術症例より摘出した前立腺を用いて予備的検討を行った。その結果、実症例では組織内エストロゲン濃度が低い症例があり、通常の18ゲージ生検針で得られる前立腺組織量ではエストロゲン測定の精度は不十分であることが判明した。18ゲージ生検針で2本、あるいは14ゲージ生検針で1本の組織量では定量可能であったが、実症例から採取することは出血のリスク等に関して倫理的に問題があった。そこで前立腺生検組織での定量については検討を継続しつつ、当面は前立腺全摘出術症例より摘出直後に14ゲージ生検針により採取した前立腺組織を用いて検討を進めることとした。また前立腺疾患の発生・進展において関連が報告されている脂肪組織でのホルモン代謝解析を検討に加えることにした。同意を得られた症例から前立腺および前立腺周囲脂肪組織を採取して、組織内ホルモン定量、ステロイドホルモン代謝関連酵素遺伝子発現の定量、組織内でのステロイドホルモン代謝解析、病理組織所見評価用にそれぞれ保存した。ステロイドホルモン代謝関連酵素発現定量は順次開始した。遺伝子発現定量系を確立するために、同意を得た患者から得られた副腎組織をポジティブコントロールとして、各標的酵素の検量線用標準テンプレートDNAを作成した。測定系のバリデーション後、患者検体での遺伝子発現定量を行った。その結果ほとんどの症例で前立腺および脂肪組織内にステロイドホルモン代謝に関わるCYP11A1、AKR1C1、AKR1C3、SRD5A1、STS、CYP19A1等の遺伝子発現を確認できた。これは組織内で活性型のアンドロゲン、エストロゲンが産生される可能性を示唆する結果であった。組織内ホルモン定量、ホルモン代謝の解析等については、さらに症例を蓄積し、次年度以降に解析する予定である。
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Research Products
(1 results)