2010 Fiscal Year Annual Research Report
尿中のラミニン関連分子は膀胱がんの診断・治療の指標となりうるか?
Project/Area Number |
22591762
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越川 直彦 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (70334282)
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Keywords | 膀胱がん / 尿 / ラミニン / 診断マーカー / 予後マーカー |
Research Abstract |
まず、ラミニン関連分子の中でも悪性癌での発現が高いラミニンγ2鎖に注目して、ラミニンγ2鎖を定量するためのELISAの構築を行った。まず、ラミニンγ2鎖を定量的に検出するため、市販の抗体と当研究室で作製した抗体を使ったサンドイッチELISAの構築を行い、0-50ng/mlのラミニンγ2鎖を測定可能な実験系を確立した。次に、尿中のラミニンγ2鎖を安定的に測定するため、尿の採取方法、保存法などの検討を行った。そして、サンドイッチELISAによるラミニンγ2鎖の測定系を用いて、種々の泌尿器科疾患の患者尿より尿を採取し、尿中のラミニンγ2鎖の定量を行った。結果、2種の抗体を使ったサンドイッチELISAによって0-50ng/mlの範囲で安定的な定量が可能となった。尿の採取は外来訪問時に決定し、採取後の尿は低回転の遠心でデブリを除き、1.5mlのエッペンドルフチューブを用いて-20度で凍結保存し、その融解は37度で10分のインキュベートで短時間に決定した。さらに、各尿の標準化は尿中のクレアチン量で補正した。現在までに200検体尿を用いた解析を行い、膀胱がん尿で高値のラミニンγ2鎖が検出されている。特に、クレアチン量で標準補正した結果において、感度100、特異性50、T-testにおいて0.0014の高い有意差を見出している。引き続き検体を増やして解析結果の信頼度を高め、また、新たな高感度な解析手法の開発を試みる。
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Research Products
(5 results)