2011 Fiscal Year Annual Research Report
尿中のラミニン関連分子は膀胱がんの診断・治療の指標となりうるか?
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22591762
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越川 直彦 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (70334282)
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Keywords | ラミニン / 尿路がん / 診断 / 尿 |
Research Abstract |
ラミニン関連分子は尿中で非常に不安定であることが前年度までの研究で明らかとなり、今年度はラミニン関連分子の尿中での安定性についての査定を行ったところ、凍結前の尿ではラミニン関連分子は安定的に検出可能であるが、凍結・融解を繰り返した尿検体ではラミニン関連分子は保存容器への吸着や、不溶性分画に巻き込まれることが判明した。この問題の対応策として、5%BSAを含む5%-Tween20を含むキャリア溶液を加えて保存することで、安定的にラミニン関連分子を保存することができた。 ラミニン関連分子を特異的に検出するELISAによって、現在まで約200症例の泌尿器がん患者尿を解析が終了した。尿は回収する時期によって尿に含まれる種々の含有物の濃度が異なることから、これまでに調べた尿検体の濃度を標準化するため、尿クレアチニンによる補正を行った。この結果、正常、尿路がんの2群において、尿ラミニンは感度95%以上、特異性45%で尿路がん患者を診断することが可能であった。本法は95%以上の感度で尿路がん患者を見出すことが可能であるため、健康診断などの大規模スクリーニングでの応用性が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
尿中のラミニン関連分子が安定的に測定できる実験系、尿検体の取り扱いの方法が決定できたことで、今後は臨床検体の解析の解析を容易とする。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、解析する臨床検体数を増やしていくことで、統計的に有意なデーターを取得することを目指す。そのため、300検体以上の尿サンプルの解析を行う予定である。 また、本研究で得られた結果と臨床での情報を照らし合わせることを行い、本研究の尿路がん診断における有意性を明確に示すことを行う。
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Research Products
(11 results)