2012 Fiscal Year Annual Research Report
尿中のラミニン関連分子は膀胱がんの診断・治療の指標となりうるか?
Project/Area Number |
22591762
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越川 直彦 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (70334282)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 腫瘍マーカー / 膀胱がん / ラミニン / 診断 |
Research Abstract |
ラミニンγ2単鎖(モノマーγ2鎖)はがん細胞の悪性形質の獲得に重要な役割を担う分子である。このことは、これまでの研究報告から学術的に裏付けされている。しかし、これまでの研究はモノマーγ2鎖のがん組織での局在や発現についての研究であり、実際の診断や治療に応用する試みはあまり行われていない。その主要な理由として、モノマーγ2鎖は基底膜のラミニン5γ2鎖と同じ遺伝子を共有し、蛋白質レベルで選択的にモノマーγ2鎖のみを区別する方法がないことがあげられる。我々はこの問題を解決するため、モノマーγ2鎖を選択的に認識するモノクローナル抗体の作製を試み、モノマーγ2鎖を選択的に認識する抗体を樹立した。 本研究課題において、我々は早期がんを含む膀胱がん患者尿にモノマーγ2鎖が高濃度に存在することをウエスタンブロット、モノマーγ2鎖に対する特異的なモノクローナルを用いたサンドイッチELISAで初めて見出した(投稿準備中)。さらに、尿中のモノマーγ2鎖が浸潤性膀胱がんのみならず、早期の表在性膀胱がんの患者尿においても検出されることを見出した。さらに、膀胱がん患者尿を用いた解析から、モノマーγ2鎖がBTA、NMP-22など既存の腫瘍マーカーに比べ高感度に膀胱がんを診断することが可能となった。以上より、本研究成果は、モノマーγ2鎖が膀胱がんの新しい腫瘍マーカーとなりうる可能性を強く示唆している(特許出願中)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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