2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外環境による前立腺・膀胱の発生や形態形成の制御機構
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22591764
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
杉村 芳樹 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90179151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 嘉弘 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (10402687)
石井 健一朗 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90397513)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞外マトリックス / 前立腺 / 膀胱 / テネイシンC / GeneChip解析 / 遺伝子欠損マウス / 胎児泌尿生殖洞 / 二核細胞 |
Research Abstract |
本年度は、テネイシンC (TN-C) ノックアウト (KO)マウス膀胱を病理組織学的に解析し、膀胱上皮細胞の増殖や分化、形態形成に対するTN-Cの役割を検討した。 【検討1】生後4週齢から4週間毎にTN-C KOマウスを屠殺し、膀胱重量の測定や組織型を病理組織学的に評価した。その結果、TN-C KOマウス膀胱重量はwild type (WT)マウス膀胱重量と比べて、有意な差は認められなかった。また、TN-C KOマウス膀胱の組織形態をE-cadherinやuroplakinの免疫染色により評価したが、WTマウス膀胱との間に明確な差は存在しなかった。さらに、TN-C KOマウス前立腺で観察された二核細胞の出現等の異常形態も観察されなかった。 【検討2】成獣マウス膀胱上皮細胞に胎児マウス泌尿生殖洞間充織細胞を組み合わせて前立腺上皮細胞へと誘導する組織組み替え実験を施行した。その結果、胎生16日目のTN-C KOマウス泌尿生殖洞間充織細胞と組み合わせた成獣マウス膀胱上皮細胞にはアンドロゲン受容体の発現が誘導されたものの、uroplakinの発現が消失しなかった。つまり、TN-C KOマウス泌尿生殖洞間充織細胞による前立腺上皮細胞への分化誘導は不完全であった。 以上の結果から、TN-Cは前立腺の腺上皮細胞におけるサイトカイネーシス(細胞質分裂)に重要な役割を担っているものの、膀胱上皮細胞のサイトカイネーシスには影響していないことが判明した。また、TN-Cの遺伝子欠損に伴い泌尿生殖洞間充織細胞では種々の遺伝子発現が低下もしくは消失していることから、膀胱上皮細胞から前立腺上皮細胞への完全な分化誘導を起こすことができなかったと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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