2010 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺ラテント癌から顕在癌までの癌浸潤マクロファージの解析
Project/Area Number |
22591765
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
広川 佳史 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30322738)
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Keywords | 前立腺癌 / 微小癌 / 臨床癌 / マクロファージ |
Research Abstract |
目的;前立腺ラテント癌は臨床的に前立腺癌の兆候が見られず、病理解剖によって初めて発見される微小な癌組織であり、病理解剖例の約30%に発見される。ラテント癌の体積が0.46mlを超えると皮膜浸潤が起こり始め予後に影響がある為、治療を要する臨床癌はラテント癌の一部が進展して顕在化したものと考えられる。またラテント癌は30歳代頃より発見され、60歳頃すり急増し70歳代に好発年齢があることから前立腺癌の一部は30-40ほど経過した後、臨床癌に進展するものと考えられている。一般的に癌と炎症との関連性が指摘されており、炎症性疾患は前立腺癌を紿め胃癌、卵巣癌、乳癌など多くの癌発生のリスクを高めることが知られている。本研究は前立腺微小癌と炎症、特にマクロファージについて探求する研究である。病理解剖で得られた組織を用いて、前立腺ラテント癌から顕在癌にいたる過程の,マクロファージの検出、分類、役割・機能解明を目的とする。 計画;病理解剖で得られた、ラテント癌、微小癌30例を抗CD68抗体で免疫染色し、癌内部のマクロファージの同定を試みた。病理解剖のラテント癌の中には種々の程度に炎症細胞の浸潤が確認されたが、抗CD68抗体で染まるマクロファージの数は非常に少ないことがわかった。ラテント癌の段階でのTAMのプロファイリングは断念し、900症例以上ある凍結前立腺癌組織すりRNAを抽出し、Real-time PCRによりマーカーそれぞれの遺伝子発現を定量化する。マーカー遺伝子としてはNOS2、Arginase-1、MHC-II、抗Scavenger receptor Aを予定している。すでに凍結前立腺癌組織より20症例のRNAを抽出しcDNA化が終了している。今後症例数を増やし、マーカー遺伝子のPCR条件の至適化後、定量化する。それぞれの前立腺癌の面積を計測しマーカー遺伝子発現量との相関性を検討する。
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Research Products
(1 results)