2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591766
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大久保 和俊 京都大学, 医学研究科, 講師 (20511877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
吉村 耕治 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40397542)
清水 洋祐 京都大学, 医学研究科, 助教 (00542094)
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Keywords | GAP / 前立腺癌 / 膀胱癌 / 転移 |
Research Abstract |
本研究ではRap1とRalのGAPを介した、前立腺癌と膀胱癌の転移に関与する分子機序の検討を行っている。具体的には、(1)SPA-1/Rap1シグナルの下流標的分子の同定、(2)膀胱癌を含む他の泌尿器癌の転移におけるSPA-1/Rap1シグナルの機能の検証、(3)SPA-1/Rap1経路とクロストークを有するRalGAP(Ralを負に制御する)/Ral経路の泌尿器癌における機能の検証、を行う。H23年度は主に(3)を行った。9種類の膀胱癌細胞株(低悪性度癌由来株3種、高悪性度癌由来株6種)において、RalGAP(α1、α2、β)発現量とRal活性化状態との関係を検討した結果、低悪性度膀胱癌細胞株と比して高悪性度株においてRalGAPα2の発現低下とRalの活性上昇を認めたが、RalGAPα1およびRalGAPβについては有意な発現低下を認めなかった。 RalGAPα2低発現株にRalGAPα2を強制発現すると、活性化Ralが減少し、さらに細胞遊走が有意に抑制された。また、ヌードマウスを用いた膀胱癌細胞の肺転移モデルにおいては、RalGAPα2強制発現により肺転移結節数が有意に低下した。膀胱癌の臨床検体におけるRalGAPα2の免疫染色において、筋層非浸潤性膀胱癌と比較して筋層浸潤性膀胱癌において有意に発現の低下がみられた。これらの結果よりRalGAPα2の発現低下が尿路上皮癌の浸潤転移に関係することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画(3)の一部が達成された。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、以上の知見をさらに進め、RalGAPノックアウトマウスにおける膀胱癌の浸潤転移の評価を行い、内因性のRalGAPの機能について解析を行う。さらに、前立腺癌をはじめとした尿路上皮癌以外の癌種におけるRalGAPの役割について解析を進めていく。
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Research Products
(2 results)