2011 Fiscal Year Annual Research Report
緑色蛍光タンパク質発現ウイルス製剤による膀胱癌に対する新たな診断法の開発研究
Project/Area Number |
22591767
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
賀来 春紀 岡山大学, 大学病院, 講師 (60346426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 昌実 岡山大学, 岡山大学病院, 准教授 (70444677)
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Keywords | 緑色蛍光タンパク質 / ウイルス製剤 / 膀胱癌 / GFP発現プラスミド試薬 / 診断法 |
Research Abstract |
本研究は、癌細胞において特異的に増殖し、蛍光蛋白(GFP)を発現させる新規の診断用アデノウイルスベクター製剤Telomescan(岡山大学において独自に開発)を用いて、膀胱がんに対する新たな体外・体内診断法を開発することを目的とした基盤研究である。 平成23年度は、Telomescanによる膀胱癌検出を動物実験モデルにおいて試みた。また、GFP発現プラスミド試薬の開発を行なった。 1)緑色蛍光タンパク質(GFP)発現ウイルス製剤Telomescanによる膀胱癌検出の検討 平成22年度で実施した膀胱癌培養細胞株を用いた実験を完了し、マウスを用いた動物実験においてTelomescanによる膀胱癌の検出効果を検討し、その有用性を確認した。 また、ヒトの尿検体を用いたTelomescanによる膀胱癌の新規の診断法を確立するため、臨床研究の立案をし、倫理委員会への申請の準備を行なった。 2)次世代GFP発現プラスミド試薬の開発 新規の癌特異的遺伝子発現システムを用いて尿中膀胱癌細胞を検出する為のGFP遺伝子発現カセットを作成し、GFP発現プラスミド試薬の作成を完了した。癌以外の様々な組織特異性を持つ細胞を検出することにも応用できることとなり,血液や尿中の遊離細胞のみならず,種々の実験状況における細胞(塊)にもこのシステムが応用できると考えている。今後はIn vitroでの各種膀胱癌細胞へのluciferase遺伝子およびGFP遺伝子の導入および各種アッセイを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
緑色蛍光タンパク質(GFP)発現ウイルス製剤Telomescanによる膀胱癌検出が培養細胞、動物実験モデルにおいて可能であることを確認した。また、新たにhTERTプロモーター搭載の癌特異的遺伝子発現プラスミド試薬の作成を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
新規癌特異的GFP発現プラスミド試薬の作成ができた。今後その有用性を膀胱癌培養細胞を用いて確認し、膀胱癌を含む種々の癌の早期診断・病期診断,また,癌転移の可能性・存在を早期に検出する体外診断技術の確立をしていく。
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