2011 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌におけるFESの臨床病理学的意義の網羅的検討
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22591771
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮田 康好 長崎大学, 大学病院, 講師 (60380888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 英樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40235122)
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Keywords | 前立腺癌 / FES / 分子標的治療 / 予後予測因子 / マウスモデル |
Research Abstract |
前立腺癌細胞におけるFESの発癌過程での病理学的F意義を明らかにするために、我々の研究グループがカナダの研究グループと共同で開発した「前立腺癌自然発生遺伝子改変マウス」による発現を検討した。その結果、発癌過程においてFESの発現が亢進してくること、その悪性度が増すにつれてFESの発現がさらに亢進してくることがわかった。 その結果を基に、前立腺癌患者さんの組織におけるFESの発現を検討したところ、マウスモデルと同様に、前立腺癌細胞ではその発現が増加していること、悪性度やステージと正の関連を認めること、さらには、FESに発現が癌細胞増殖と正の相関関係にあることが明らかになった。 現在、さらに詳細な病理学的意義を明らかにするべく、細胞接着因子細胞遊走に関与する蛋白発現との関連を検討中である。現在までのところ、我々の研究グループが腎細胞癌で明らかにしたcortactinとの関連について興味深い結果が得られつつあり、さらに検討を進めている。 現在、前立腺癌細胞におけるFESの発現を検討しており、ある種の癌細胞においてその発現が高いことがわかった(研究結果の重要な部分であり特定名は伏せます)。そこで、その発現を効率的かつ永続的に抑制するべくsh-RNAに用いるベクターを構築している。そのいくつかの候補について、現在、当研究室と共同研究施設であるクイーンズ大学(カナダ)で確認を進めている。その結果、ある種のベクターにおいてFESの発現抑制が可能であることが、クイーンズ大学で確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終的な目的の1つであった、前立腺癌患者における臨床病理学的なFESの意義については、その多くを明らかにできており、この点は当初の計画以上に進展している。一方、sh-RNAによるcell linesでの発現制御が、予定よりもやや遅延しており、全体的には上記の区分(2)に相当すると考えられる
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体を用いた研究や、動物モデルによる研究は当初の予定通りで十分遂行可能である。 一方、cell linesについては、sh-RNAに用いるベクターの確立は終わっており、今後はより効率的なトランスフェクション方法を模索して予定通りの遂行を目指す。そのための議論を、すでに同技術を確立しているクイーンズ大学のPeter A Greer教授と行うべく、現在日程の調整中である。
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Research Products
(1 results)