2010 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌でのレニン―アンジオテンシン系のアンドロゲンレセプター発現調整の解明
Project/Area Number |
22591774
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
上村 博司 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (50244439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 吉信 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (10106312)
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Keywords | 前立腺癌 / アンドロゲンレセプター / レニン-アンジオテンシン系 |
Research Abstract |
前立腺癌細胞の増殖は、アンドロゲンレセプター(AR)を介して促進されるが、再燃癌においてはアンドロゲン非依存的に増殖が起きている。しかし、アンドロゲン非依存的であっても多くの再燃癌細胞はARを有していることは、ARが再燃癌発生のkey moleculeであることを意味している。従って、ARの発現を抑制することが、再燃前立腺癌の発生や進展に有効であることが予想され、精液中に高濃度に存在する血管収縮ペプチドであるAng IIに注目した。この研究によって、Ang IIがAR発現に対してどのように影響するか、前立腺癌細胞を用いて分子生物学的手法を以って解析した。 (1)アンジオテンシンによる、ヒト前立腺癌細胞でのAR発現解析:前立腺癌細胞のLNCaPをAng IIおよびAng IIを10μMで刺激すると、AR発現は促進された。LNCaP細胞をAng IVやAng (1-7)で刺激したところ、Ang IVでAR発現は促進し、Ang (1-7)では減少した。c-mycやNFkB、AKT-1などのタンパク発現は、Ang IIやAng IVで促進された。 (2)AT1ノソクアウトによるAR発現解析:AT1のsiRNAを3種類作成し、前立腺癌細胞に遺伝子導入したところ、AR発現は抑制され、細胞増殖も抑えられた。また、アンジオテンシノーゲンノックアウトマウスやAT1レセプターノックアウトマウスの前立腺を採取し、AR発現を調べると、mRNAレベルではアンジオテンシノーゲンノックアウトマウスではAR発現の促進(AT1レセプター発現の亢進)、AT1レセプターノックアウトマウスではAR発現の抑制(AT1レセプター発現なし)の結果であり、細胞実験と同様の結果を示した。
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Research Products
(5 results)