2011 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌でのレニン―アンジオテンシン系のアンドロゲンレセプター発現調整の解明
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22591774
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
上村 博司 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (50244439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 吉信 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (10106312)
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Keywords | 前立腺癌 / アンドロゲンレセプター / レニン-アンジオテンシン系 |
Research Abstract |
(1)アンジオテンシンペプチド(II、IV、1-7)による、ヒト前立腺癌細胞でのAR発現解析 ARを有する前立腺癌細胞のLNCaPをAng IIおよびAng IV、あるいはAng(1-7)で刺激し、24時間後に細胞を採取した。それら細胞からtotal RNAを抽出し、cDNAを作成し、ARのプライマーを用いてreal-time PCRを行った。その結果、Ang IIおよびAng IVでは、AR発現が促進され、ウェスタンブロットでも同様の結果が確認された。一方、Ang(1-7)刺激では、AR発現が抑制されていることが、real-time PCRおよびウェスタンブロットで確認された。さらに、c-mycやNFkBなどの発現を調べると、Ang IIおよびAng IVではそれぞれ亢進しており、Ang(1-7)刺激では抑制されていた。 (2)AT4,MASレセプターのノックアウトによるAR発現解析 AT4レセプター,MAS(Ang1-7 receptor)それぞれのsiRNAを3種類作成、LNCaP細胞に遺伝子導入して、それぞれをノックアウトした。24時間後の細胞を採取、total RNAおよびタンパクを、上記(1)の方法と同様に抽出した。Real-time PCR法およびウェスタンブロット法によりAR発現を調べると、AT4レセプターsiRNAではAR発現は抑制され、MASsiRNAではAR発現の亢進が認められた。また、AT4レセプターsiRNA遺伝子導入細胞では、アポトーシスを起こしており、細胞増殖の抑制が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画通りに、予想された結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、細胞の種類を増やして、今までの結果が普遍性を持つかどうか、確認していきたい。 また、細胞実験だけでなく、in vivo系実験、つまりヌードマウスなどを使用した実験を行い、生体内での変化について検討していく予定である。さらに、AT4レセプターやMASレセプターのアンタゴニストを作成して、細胞および動物実験を行いたいが、試薬合成にコストがかかり、その遂行は難しいかもしれない。
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