2011 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクス解析を用いた腎細胞癌のストレス対応情報伝達ネットワークの解明
Project/Area Number |
22591775
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中井川 昇 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (00237207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢尾 正祐 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (00260787)
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Keywords | 腎癌 / ストレス負荷 / プロテオミクス / バイオマーカー |
Research Abstract |
近年、腎細胞癌に対し癌の進行において重要な働きをしている情報伝達系を標的とした分子標的薬が開発され臨床において成果を挙げているが、その有効性が一過性であることも明らかになってきています。すなわち、標的とした一つ情報伝達系を抑えても、これをレスキューする別の情報伝達系が活性化され、癌細胞の進行が再び起こると考えられます。そこで、腎細胞癌に様々なストレスを加えた際の細胞内情報伝達系の変化をプロテオミクス解析という手法を用いて俯瞰的に解明することで癌細胞としての生存、進行を維持している情報伝達ネットワークを明らかにし、これを標的とした新たな治療法の開発へと繋げたいと考えている。 23年度は22年度に行った培養腎癌細胞をサンプルとしたプロテオミクス解析によって同定したストレス負荷によって発現が亢進する蛋白の中から数種類を選別し培養腎癌細胞を用いてその発現や活性を阻害し、腎癌のストレス対応において重要な働きを示す細胞内蛋白数種類を明らかにした。今後はその中でクリティカルな機能をもつものを更に絞り込み、動物モデルを用いて新規腎癌治療法の標的として有効であるか、これを標的とした治療の臨床応用が可能であるか検討を行う。 同時に、薬物療法中の腎癌患者の血液サンプルを収集、血液サンプルのプロテオミクス解析を行い、昨年度に施行した培養腎癌細胞のプロテオミクス解析によって得られたデータトともに検討し、実際の臨床において治療効果判定や予後予測に有用な血中バイオマーカー候補を数種類明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画のスケジュール通りほぼ進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は動物モデルを用いて新規腎癌治療法の開発にむけての基礎データを収集、同時に血中バイオマーカー候補については実際の臨床症例を用いて検証を進めていく。
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Research Products
(3 results)