2010 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン不応性前立腺癌における、微小環境に着目したマイクロRNAの機能解析
Project/Area Number |
22591777
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮嶋 哲 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90245572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 栄次 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10286552)
大家 基嗣 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00213885)
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Keywords | 前立腺癌 / 血管新生 / 微小環境 / マイクロRNA |
Research Abstract |
平成22年度は、我々がアンドロゲン除去の血清下で樹立した新規ホルモン不応性前立腺細胞株(C4-2AT6:Kosaka T,Miyajima A, et al 2010)を対象として、特に前立腺癌での進展や、去勢抵抗性に関与する微小環境の調節因子の発現、ならびに、関連するシグナル伝達機構と抗がん治療抵抗性との関連について解析を進めた。 C4-2AT6におけるマイクロRNAの発現解析では、有意に発現が変動するいくつかのクラスターを見出した。定量的なマイクロRNAの発現解析にて、C4-2AT6において有意に変動するマイクロRNAとして、miRNA200のクラスターの発現制御異常が認められた。 血管新生においては、C4-2AT6においては、VEGFの発現が有意に亢進し、HIF-1αなどの血管新生発現調節因子の上昇を伴っていた。シグナル伝達機構の解析においては、特に平成22年度は、PI3K/Aktシグナル経路に着目し、解析した。その中で、Aktのセリン473のリン酸化が、更に亢進することが明らかになり、報告した(Kosaka T,Miyajima Aetal,Prostate 2011)。この亢進したリン酸化Aktの発現上昇は、抗がん治療抵抗性因子として、前立腺癌の治療難渋性に関与することも明らかにし、報告した(Kosaka T,Miyajima A et al.J Urology 2011)。今後、miRNAの強制発現系にて、血管新生促進因子の蛋白レベルでの発現調節との関連の解析を進めていく予定である。
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