2011 Fiscal Year Annual Research Report
PEG修飾フラーレンと収束超音波併用による尿路悪性腫瘍に対する音響化学療法の確立
Project/Area Number |
22591783
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
住友 誠 愛知医科大学, 医学部, 教授 (50255535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 友彦 防衛医科大学, 医学教育部・医学科専門課程, 教授 (40167226)
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Keywords | ポリエチレングリコール(PEG) / フラーレン / 癌細胞株 / 収束超音波 / 抗腫瘍効果 / 担癌マウス |
Research Abstract |
平成23年度の研究の主実験として、蛍光PEG修飾フラーレンの作製および体内での集積状態を検討することを目標に定めた。蛍光PEG修飾フラーレンに関しては、蛍光物質とPEGフラーレンとの反応時間を調整することにより、比較的安定した試薬作製が可能になったので、蛍光物質とPEGフラーレンの濃度反応比を4:1の割合で反応させ化合物を用いて、PC-3同所性前立腺癌モデルの尾静脈に投与したところ、移植癌領域への効率的な集積が確認できた。この段階で、研究代表者の転勤があり、平成23年9月より、主たる実験室を愛知医科大学動物実験施設に移し、旧勤務地と同様の条件で試薬を調整し、C4-2同所性前立腺癌モデルを用いて行ったところ、組織内での試薬の安定性が得られず、再現性を家訓するために、PC-3同所性前立腺癌モデルを用いた実験を再度新任地で施行したが、旧勤務地で得られた結果の再現性が得られなかった。このため蛍光標識PEGフラーレンの安定性に関与する試薬調整の段階で、旧勤務地と新任地での方法に何らかの相違があるのではないかと考え、試薬調整に関与した関係者との話し合いを何度か行っているが、現時点では原因が判明していない状況である。現在、1年目で使用した放射線ヨウ素ラベル化PEGフラーレンの作製も並行して行い、代替案を検討している段階である。Renca肺転移モデルを用いたPEGフラーレンとHIFU併用による抗腫瘍効果の検討に関しては、上記の実験の遅れの問題もあり、現時点では肺転移モデル作製の再現性チェックにとどまっているが、この過程に関しては問題がなく、体内集積性実験の問題が解決され次第、並行して実験を進める方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年秋に研究代表者の所属が防衛医科大学校から愛知医科大学に変更となり、実験設備の再立ち上げに時間を要したことで、大幅に研究の進行が遅れている。また、担がんマウスの尾静脈内へ蛍光標識PEGを投与し、マウス体内への集積を検討する集積実験に関する再現性が新任地では得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
前任地で動物実験を行った実験助手にも新任地に来訪してもらい、試薬の調整および投与方法についての再確認を行ったうえで、体内動態実験を再度行う。蛍光標識PEGフラーレンの安定性に問題がある場合に備え、放射線ヨウ素ラベル化PEGフラーレンの作製も並行して行い、投与後経時的に種々の臓器、排泄物、および癌組織を回収し、各臓器の放射活性を測定する。良好な結果が得られれば、C4-2ないしはPC-3同所性前立腺癌モデルを用いたPEGフラーレンとHIFU併用による抗腫瘍効果の検討:ネンブタール麻酔下にてヌードマウスの前立腺に前立腺癌細胞を注入し、約60-80%の癌生着率で同所性前立腺癌研究モデルが確立できる。同所性腫瘍モデルを用いて無治療群、PEGフラーレン単独治療群、HIFU単独治療群、PEGフラーレンとHIFU併用治療群に分類する。PEGフラーレンは経尾静脈投与する。30日目にマウスを安楽死させ、前立腺腫瘍を摘出する。また転移の有無(特にリンパ節)もあわせて検討する。
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