2010 Fiscal Year Annual Research Report
淋菌におけるアジスロマイシン耐性化の経時的変化および耐性化機序の解析
Project/Area Number |
22591788
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
出口 隆 岐阜大学, 医学系研究科, 教授 (40163935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 満 岐阜大学, 医学系研究科, 助教 (90311703)
中根 慶太 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (00566482)
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Keywords | 性感染症 / アジスロマイシン / 薬剤耐性 / 淋菌 |
Research Abstract |
平成22年度は、平成21年度および平成22年度に収集した淋菌臨床分離株83株と162株の再同定とこれら菌株に対するセフェキシム(CFIX)、セフトリアキソン(CTRX)、レボフロキサシン(LVFX)、アジスロマイシン(AZM)の発育阻止濃度(MIC)を測定した。各薬剤に対する感受性は、平成21年度よび平成22年度分離菌において、著明な耐性化は認められなかったが、CFIXに対しては約20%の菌株での感受性の低下、LVFXに対しては約80%の菌株での耐性化が認められた。CTRXについては、両年ともすべて感受性菌であった。AZMに関しては、平成21年度よび平成22年度分離菌に対するMICの範囲は、それぞれ0.06-4μg/mlと0.03-1μg/mlであり、50%および90%の菌株の発育を抑制する濃度、MIC50とMIC90は、それぞれ0.5μg/mlと1μg/ml、0.25μg/mlと0.5μg/mlとやや感受性の改善が認められた。しかし、2000年代前半の臨床分離菌株の感受性と比較して感受性の低下が観察されている。また、近年、ヨーロッパおよび南米で観察されているAZM高度耐性菌は分離されなかった。 AZMの耐性化機序の解析は、平成21年度および平成22年度に収集した淋菌臨床分離株を対象として開始した。また、保険適応のあるAZM 2gの経口単回投与による淋菌感染症治療成績とAZMのMICとの関連を検討するために、平成22年度より治療前後の淋菌臨床分離株の収集を開始した。
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Research Products
(1 results)