2010 Fiscal Year Annual Research Report
共培養した膀胱上皮細胞と膀胱知覚神経細胞のクロストーク解析
Project/Area Number |
22591798
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
松吉 ひろ子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10448772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00033358)
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Keywords | 膀胱上皮細胞 / 膀胱知覚神経 / 共培養 |
Research Abstract |
ラットの生体より膀胱上皮、膀胱知覚神経(L6,S1後根神経節細胞)を採取・共培養し、上皮細胞と神経節細胞間の相互作用を調べることによって、排尿機能の自律神経制御機構の中でも、特に、知覚制御機構の直接的解明をすすめ、過活動膀胱等の排尿・蓄尿障害に対し現在行われている治療の強化および新しい治療標的の発見に結びつける事を目的とし研究を進めている。 これまでに蛍光標識物質、4%Hydroxystilbamidine(Fluoro Gold)の膀胱壁への注入による膀胱支配神経(求心性知覚神経)の可視化、可視化された膀胱知覚神経を含むL6、S1位の後根神経節に細胞体を持つ神経細胞のHam's F-12培養液での初代培養および神経細胞からの神経突起の伸長を確認し、膀胱上皮のトリプシン処理、既製上皮細胞用培養液(keratinocyte serum-free medium)による初代培養にも成功し、膀胱上皮と膀胱知覚神経との相互作用を明らかにするための実験に必要な細胞を安定して得られるようになった。さらに、カルシウムイメージング技術を用いて、単培養系の膀胱上皮細胞に機械刺激を与えると、同シャーレ中の他の膀胱上皮細胞に興奮が伝達されるという膀胱上皮の特性を明らかにした。 以上のように、実験に必要な細胞の単培養系が確立され、加えて、膀胱上皮の特性を示す実験結果も得られたが、膀胱上皮と膀胱知覚神経との相互作用を明らかにするための共培養系の確立が難しく、難航している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
共培養実験系の確立に時間がかかっている。 試行錯誤を重ねて実験してはいるが、機械刺激実験可能な状態の細胞を得るためには、さらに時間がかかると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
共培養実験系の早期確立をめざすが、時間的に確立できない可能性もあり、目的である排尿機能の自律神経制御機構の解明をすすめ、過活動膀胱等の排尿・蓄尿障害に対し現在行われている治療の強化および新しい治療標的の発見に結びつけるために、共培養系での解析標的ともなるような、生理的および病理的状態で排尿に関与する物質(神経伝達物質、チャネル、細胞外マトリックス等)の検索も同時に行う必要がある。
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