2011 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠障害は夜間頻尿の原因になるか?:簡易脳波睡眠診断を用いた検討
Project/Area Number |
22591799
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
平尾 佳彦 奈良県立医科大学, 泌尿器科教室, 教授 (00133207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 暁秀 奈良県立医科大学, 泌尿器科教室, 講師 (40336871)
鳥本 一匡 奈良県立医科大学, 泌尿器科教室, 助教 (10382293)
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Keywords | 高齢者 / 夜間頻尿 / 深睡眠 / 中途覚醒時間 / 再入眠困難 / 就眠後第一排尿 |
Research Abstract |
夜間頻尿を有する高齢者17人(平均72.6歳)および成人ボランティア10人において、簡易型脳波睡眠診断を前者に43回および後者に12回施行した。高齢者においいて検査期間中に認められた夜間排尿回数は90回平均2.6回であった。 成人例ならびに高齢者において睡眠変数を比較したところ高齢者では、総就眠時間・睡眠時間の延長を認めたが、総睡眠時間に差は認めらなかった。これは中途覚醒時間の延長によるもので、中途覚醒時間の較差は76分であった。 高齢者において、就眠後第一排尿までの時間が睡眠周期2周期以内および、夜間排尿回数が2回以上のものでは、深睡眠時間の短縮ならびに、中途覚醒時間の延長、睡眠効率の低下が認められた。すなわち早期に覚醒することにより、深睡眠の出現の抑制ならびに排尿回数増大による中途覚醒時間の延長ならびに睡眠効率の低下を来たしたものと考えられた。 排尿のために覚醒する直前の睡眠段階は、REM期が77%であり、浅睡眠期が23%であった。小児夜尿症例に認められるような深睡眠期から覚醒する症例は認められなかった。今回の検討では高齢者が覚醒したために排尿したものか、尿意により覚醒し排尿したものかは不明であった。 排尿関連の覚醒時間の平均は67.7分であり、一回あたり33.7分であった。6例35%の症例が1回の夜間排尿に1時間以上の覚醒していた。 今回の検討において、就眠後第一排尿までの時間が短い症例、夜間排尿回数が多い症例では有意に深睡眠時間の減少、中途覚醒時間の延長が認められ、また再入眠困難を呈する症例が認められた。今後は、治療介入により十分の睡眠が得られるかどうか検証する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の研究の目的は、在宅で日常生活を反映した睡眠の質を測定するテレメトリー睡眠診断システムの確立および、高齢者の睡眠の質を質的診断することであり、この面においては検討がなされたものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
簡易型睡眠脳波計により非拘束で従来の睡眠と同等の睡眠が得られていることが明らかとなった。今後は従来の治療介入が、高齢者の睡眠の質を如何に改善しているかどうかを検証し、新しい治療法の確立をしていかなければならない。
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Research Products
(3 results)