2012 Fiscal Year Annual Research Report
動物モデルを使った尿路病原性大腸菌のキノロン耐性誘導機序の解明
Project/Area Number |
22591803
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
山本 新吾 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80322741)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 喜英 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20411994)
倉園 久生 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (90186487)
野島 道生 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90237842)
兼松 明弘 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (90437202)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 尿路病原性大腸菌 / キノロン耐性 / 薬剤排出ポンプ遺伝子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、キノロン耐性誘導の過程を詳細に解析することでキノロン耐性を誘導しにくい抗菌薬投与法を開発することにある。 平成24年度においては、低濃度~高濃度LVFX含有アガー培地にて複数回培養することにより、2 step theoryとしてキノロン耐性誘導に至適なMSW濃度の決定、および薬剤耐性の機序のひとつである排出ポンプ遺伝子発現をreal time PCRを使って確認する、ということを目的とした。 キノロン感受性89株を再度低濃度~中濃度LVFX含有アガー培地にて培養したところ、5株がLVFX 2μg/mlで発育した。さらにこれらの中濃度LVFX耐性株を中濃度~高濃度LVFX含有アガー培地にて培養したところ、LVFX 4~32μg/mlで発育する高度LVFX耐性株が得られた。QRDRシークエンスでは、32μg/ml耐性1株のみ1カ所変異が認められたのみで、その他4~8μg/ml耐性4株にはQRDRに変異は見られなかった。7種類の薬剤排出ポンプ遺伝子の発現をリアルタイムPCRで確認したところ、すべての株においてLVFX中等度耐性、高度耐性に比例したmarAの顕著な高発現が認められた。marAに比して低いもののarcBの有意な高発現も認められた。その他の薬剤排出ポンプ遺伝子sdiA、tolC、mdfA、yhiU, yhiVにおいては発現の増強は認められなかった。以上より、キノロン耐性獲得のファーストステップとして、QRDR変異の前にmarAまたはarcBの高発現が先行しており、キノロン耐性獲得阻止には、これらの薬剤排出ポンプ機構を阻害する薬剤が有効である可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)