2010 Fiscal Year Annual Research Report
シクロスポリン腎症に対するカルバミル化エリスロポイエチンの腎保護効果の研究
Project/Area Number |
22591806
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
矢澤 浩治 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40569109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高原 史郎 大阪大学, 医学系研究科, 寄付講座教授 (70179547)
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Keywords | シクロスポリン腎症 / エリスロポイエチン / カルバミル化エリスロポイエチン |
Research Abstract |
6週齢のSDラットをコントロール群、CsA群、EPO群、CEPO群の4群に分け、減塩食下で飼育した。CsA群、EPO群、CEPO群にはCsA 30mg/kgを連日皮下注射しシクロスポリン腎症を作成した。コントロール群にはCsAの溶媒のsesame oilを投与した。さらにEPO群、CEPO群にはそれぞれEPO、CEPOを1000単位/kgで週三回腹腔内注射した。コントロール群、CsA群には生理食塩水を投与した。4週間の投薬後にsacrificeし、各種samplingを行った。Sacrificeの際に採血し、EPO/CEPOによる腎機能への影響を検討すると共に、赤血球数への影響を調べた。治療4週後のヘモグロビン値は、CsA群が16.5±1.2g/dL、CEPO群が15.9士0.7g/dLであったのに対し、EPO群では20.4±0.9g/dLと有意に上昇を認めた。血清クレアチニン値については、Control群が0.21±0.02mg/dLであったのに対し、CsA群では1.17±0.24mg/dLと有意に腎機能の悪化を認めた。一方、EPO、CEPO投与によりEPO群では0.82士0.11mg/dL、CEPO群では0.73±0.21mg/dLと有意に血清クレアチニン値の上昇が抑制されていた。これらのデーターより、シクロスポリン腎症モデルにおいてCEPO、EPOには、腎保護効果を有することが証明された。また、CEPOではEPOとは異なり造血作用を有さずに腎保護作用を発揮することが証明された。
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