2011 Fiscal Year Annual Research Report
シクロスポリン腎症に対するカルバミル化エリスロポイエチンの腎保護効果の研究
Project/Area Number |
22591806
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
矢澤 浩治 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40569109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高原 史郎 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (70179547)
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Keywords | シクロスポリン腎症 / エリスロポイエチン / カルバミル化エリスロポイエチン |
Research Abstract |
低ナトリウム食飼育下の6週齢の雄性SDラットを4群に分類し、それぞれコントロール群、シクロスポリン(CsA)群、シクロスポリン+エリスロポエチン(EPO)群、シクロスポリン+カルバミル化エリスロポエチン(CEPO)群とする。PAS染色ではCsA群では尿細管の萎縮を認めたが、EPO/CEPO群では傷害が軽度であった。またマッソン・トリクロム染色においても、CsAによる間質の線維化が、EPO/CEPO群では有意に抑制されていた(Control群3.1±1.2%,CsA群12.2±2.0%,EPO群7.2±2.6%,CEPO群6.7±2.7%)。α-SMA染色で形質転換を評価したところ、EPO/CEPO投与群ではCsA群と比較し有意にα-SMA陽性面積が少なかった(Control群1.0±0.5%,CsA群9.7±2.9%,EPO群4.4±0.8%,CEPO群3.4±1.4%)。またED-1染色にてマクロファージの浸潤を評価したところ、EPO/CEPO群では、CsA群と比較し有意にマクロファージの浸潤が抑制されていた(Control群38±11cells/HPF,CsA群909±240cells/HPF,EPO群538±192cells/HPF,CEPO群486±191cells/HPF)。腎皮質におけるTGF-β1の発現をreal time RT-PCRで検討したところ、EPO/CEPO投与により有意にTGF-β1の発現が抑制されていた。下流のtype I collagenのmRNAの発現も、同様にEPO/CEPO投与群で有意に抑制されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りに研究成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
虚血再還流モデルにおいて、EPOはHIF-1αを誘導し血管新生をもたらすことを報告した(Transplantation83:1371-1379,2007)。本モデルにおいても、同様にreal time RT-PCR法やWestern blot法を用いてHIF-1αやVEGFなどのmRNA、タンパクの発現を検討し、組織学的にもJG12などの血管内皮細胞マーカーによる免疫染色法を用いて検討する。
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