2011 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠高血圧症候群における新規血管新生制御因子バソヒビンの動態と胎盤機能評価
Project/Area Number |
22591814
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
千坂 泰 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (40323026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 多代 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (70375020)
星合 哲郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (10569560)
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Keywords | PIH / 抗血管新生因子 / バソヒビン / 胎盤機能評価 |
Research Abstract |
研究計画1.ヒト正常妊娠、PIH患者におけるバソヒビン動態解析 院内の倫理委員会承認後、同意を得られた正常妊娠群83人、PIH群53人より、妊娠中期またはPIH診断時、産褥早期、1か月健診時に採血しELISA法で測定した(正常群117検体、PIH群109検体)。正常群は、32週未満(646.0±385.3fmol/ml)、32~37週(591.6±200.5fmol/ml)、産褥早期(604.7±201.2fmol/ml)で群間に差はないが、同一個体の比較で妊娠週数に伴い低下する傾向をみとめた。妊娠中の正常群とPIH群で差はなく(29.8±4.7週619.4±308.6fmol/ml(92検体)、31.4±6.3週567.4±275.8fmol/ml(49検体))、32週未満でも同様だった(25.6±2.4週654.1±387.1fmol/ml、25.8±4.7週586.9±308.8fmol/ml)。PIH群を重症度で検討すると、重症群で有意に高値だった(軽症(28検体)群33±5週、528±254fmol/ml、重症(19検体)群29±7週、640±302fmol/ml)。胎盤の免疫組織学的検索では、バソヒビン1は血管内皮で発現をみとめ、PIH群でその発現が弱かった。 研究計画2.マウス正常妊娠におけるバソヒビン発現解析 血圧と妊娠中のバソヒビンを含む血管作動性因子の発現を検討した。血圧はtail-cuff法で測定、また妊娠初期、中期、末期に犠牲死させ、胎盤、血液を採取した。血圧はヒト同様、妊娠中期の収縮期血圧低下、後期に上昇した。胎盤は免疫組織学的検討で血管内皮に発現を確認、また血管作動性因子のsVEGFR1は妊娠が進むにつれ上昇し、ヒト妊娠の報告と同様であった(ELISA法)。RT-PCR法でバソヒビン1の発現を確認、現在定量のためELISA法施行中である。
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