2011 Fiscal Year Annual Research Report
FIRSの診断と治療への応用を目的としたフリー・アクチビン測定法の開発
Project/Area Number |
22591816
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
安部 由美子 群馬大学, 大学院・保健学研究科, 准教授 (70261857)
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Keywords | アクチビン / インヒビン / FIRS / 絨毛膜羊膜炎 / 羊膜細胞 |
Research Abstract |
FIRSを惹起する基礎疾患として絨毛膜羊膜炎が知られており、Blanc分類3期では炎症が羊膜まで及ぶが、羊膜は無血管性の組織で、羊膜細胞で産生された増殖因子やサイトインは直接羊水中に分泌され胎児に摂取される。この段階のin vitroモデル系として、ヒト羊膜細胞培養系を用いて、グラム陰性菌体成分のlipopolysaccharideがactivin A分泌を増加させることと、炎症性サイトカインTNF-αはlipopolysacckaride以上の強いactivin A分泌促進作用を有することを明らかにした(論文投稿中)。 Activinは2つのβ-subunitから成るdimerであり、inhibinはα-subunitとβ-subunitから成るdimerであるため、α-subunitの合成増加はactivin産生を相対的に減少させる。またactivin binding proteinであるfollistatinとFSTL-3の産生増加はfreeのactivinを減少させる。このためβA-subunit、α-subunit、follistatin、FSTL-3各々の遺伝子のmRNA発現量測定に関してqPCRの条件を検討し、羊膜細胞培養系で、絨毛膜羊膜炎の羊水で検出される濃度のTNF-α添加時のこれらのactivin関連因子のmRNA発現量を測定した。この結果TNF-αによりβA-subunit mRNA発現量は有意に増加するが、他のmRNA発現量の変化はわずかで、羊膜細胞ではfree activin A産生が優位となることが明らかとなった(投稿準備中)。 蛋白レベルではtime-resolved fluoroimmunoassayにより前処理無しで妊婦血清中のtotal inhibinとinhibin Aを測定しELISA等による報告と矛盾しない結果を得た(投稿準備中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Activinとβ-subunitを共有するinhibinについて、Europium-chelate標識によるtime-resolved fluoroimmunoassayにより、前処理無しで妊婦血清中inhibinの測定が可能となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに頻用されてきたactivinのELISAでは、SDSを用いた前処理を必要としている。SDSによる前処理では、binding proteinは解離するため、free activinもbinding proteinに結合したactivinもactivinとして測定される。Activinとβ-subunitを共有するinhibinについては、Europium-chelate標識によるtime-resolved fluoroimmunoassayにより、前処理無しで妊婦血清の測定が可能となったため、同様の方法によるfree activin測定法の開発を進める。また、研究の過程で、絨毛膜羊膜炎モデルとしての羊膜細胞培養系でactivin A,inhibin,activin binding proteinの発現に関する新たな知見を得たので、この系を用いた研究も進める。
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Research Products
(5 results)