2011 Fiscal Year Annual Research Report
炎症の観点からみた肥満妊娠と次世代へのエピジェネティクス制御に関する検討
Project/Area Number |
22591821
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
杉山 隆 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (10263005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 典正 三重大学, 大学院・医学系研究科, リサーチアソシエイト (00162321)
梅川 孝 三重大学, 医学部付属病院, 助教 (80422864)
村林 奈緒 三重大学, 医学部付属病院, 助教 (10378416)
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Keywords | 妊娠 / 肥満 / インスリン抵抗性 / マウス / 炎症 / マクロファージ |
Research Abstract |
本研究の目的は、肥満が妊娠母体および胎児に及ぼす影響を炎症性変化の関与という観点より明らかにするとともに、次世代への影響についてエピジェネティクス制御の視点よりヒトおよび高脂肪食摂取による肥満マウスモデルを用いて検討することである。 まず、妊娠中に生じるインスリン抵抗性発現には非妊娠時と同様に脂肪細胞の肥大化とマクロファージの浸潤を介したアディポカインの発現変化が関与することが判明し論文発表した(Zhang L, Sugiyama T, et al.The inflammatory changes of adipose tissue in late pregnant mice. J Mol Endocrinol 47;157-165,2011)。さらに肥満妊娠ではそれら変化がさらに増強することにより、インスリン感受性組織における糖取り込み低下を介してインスリン抵抗性が増大する可能性を示唆した(Murabayashi N, Sugiyama T, et al.submitted)。 一方、上記検討において肥満・対照両群間で胎仔重量に差がないことも予想外であった。我々は胎仔のインスリン抵抗性の存在がHFDによる胎仔発育増進に歯止めをかけた可能性を考えている。今回の検討により、インスリン抵抗性は胎仔の脂肪細胞の肥大化やマクロファージ浸潤に伴うアディポカイン調節異常を介したGLUT4発現低下によるものと示唆された(Murabayashi N, Sugiyama T, et al.submitted)。 さらに次世代の検討においては、10週齢の時点で、HFD群の児は正常餌群に比し、血圧上昇、耐糖能低下(インスリン感受性は同等)を呈することより、エピジェネティックな関与の可能性を見出し、今後検討を加える予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標である妊娠時のインスリン抵抗性の機序に肥満の際のインスリン抵抗性機序と関連することが明らかとなり、論文発表できたから。さらに肥満妊娠および非肥満妊娠マウス間の検討も進み、予定通り次世代の検討まで至っているから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、肥満妊娠のインスリン抵抗性の機序および児の将来の糖代謝表現型に関する詳細な機序を検討するためにToll様受容体の発現や胎仔の脂肪組織におけるマクロファージの局在に関する検討を行う予定である。また引き続き次世代である仔の発育や糖・脂質代謝に関する表現型の解析を行い、次世代への母体HFDの影響をさらに解明すべく、エピジェネティックな観点より引き続き研究を行いたい。
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Research Products
(2 results)