2012 Fiscal Year Annual Research Report
新生児脳障害に特異的な病態の解明~胎児脳における甲状腺ホルモン関連分子の重要性~
Project/Area Number |
22591823
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
冨松 拓治 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30346209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金川 武司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40346218)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 甲状腺ホルモン / 周産期脳障害 / 脳保護効果 / 脳性麻痺 |
Research Abstract |
甲状腺ホルモンは胎児の中枢神経発達に必要なさまざまな作用、すなわち神経細胞の分化等に必須の役割を果たしていることが明らかにされており、これらの障害が起きることで胎児新生児の中枢神経に不可逆的な障害を来たすと考えられています。しかしながら、胎児・新生児における脳障害・脳保護の基礎的メカニズムにおける甲状腺ホルモンのかかわりについてはほとんどどわかっていません。 今回の研究では、新生児低酸素性虚血性脳症に対して強力な保護効果を示す、Hypoxic-preconditioning(HPC)(あらかじめ軽度な低酸素刺激を与えておくと、重度な低酸素に対して耐性ができるという作用のこと)の脳保護のメカニズムに、脳内の甲状腺ホルモン、甲状腺核内レセプター(TRa, TRb)、甲状腺脱ヨード酵素活性(Dio2, Dio3)が深くかかわっていることを新生児ラットを用いた研究にて明らかにしました。 Hypoxic-preconditioning(HPC)により、新生児ラットの脳内では甲状腺ホルモンの値は上昇し、また甲状腺ホルモンの下流にあると考えられるmyelin basic protein (MBP)や、Glutamate transporter 1(GLT1)の発現も上昇していました。甲状腺ホルモン値の上昇は甲状腺脱ヨード酵素活性(Dio2)の上昇によるものと考えられました。 今回の研究成果から、胎児・新生児脳障害・脳保護のメカニズムに甲状腺ホルモンおよびその関連分子が深くかかわっていることが明らかとなり、成人における脳障害とは異なるメカニズムの存在が明らかとなりました。また、妊娠中の母体・胎児甲状腺機能のコントロールの重要性が示唆される結果と考えられます。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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