2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591826
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中田 雅彦 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (10294646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住江 正大 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (90335745)
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Keywords | 心不全 / 胎児 / 2Dトラッキング / 羊水 / 超音波診断 |
Research Abstract |
未だ確立されていない胎児心不全の病態を解明し新たな診断法を確立する事を目的として研究を開始した. 成人や小児において一般的に心不全の生化学的指標として用いられているヒト脳性ナトリウムペプチド(BNP)やトロポニンTの羊水中での濃度の推移とその生化学的意義を検討する目的として,胎児治療の対象となった70例の双胎間輸血症候群症例の受血児羊水中の各マーカーを測定した.その結果,一般的に血液中で検出される場合と比較して低濃度ではあるが,揚水中での検出は可能であり,特に重症のうっ血性心不全に陥っていると予想される双胎間輸血症候群stageIIIないしIVの症例ではBNPやトロポニンTが上昇していた.この結果より,羊水中のこれらの生化学的マーカーを心不全の指標として用いる事が可能である事が明らかとなった. また,超音波診断装置を用いたB-mode断層像による胎児心不全の診断法の開発の第1段階として2Dトラッキングを利用した胎児心房・心室壁運動の検出を行った.妊娠16週から40週までの7症例においてB-modeによる動画記録を行い,2Dトラッキング法によるによる心房・心室の各壁の関心領域の運動を追尾した.その結果,成人に比較して約2倍の心拍数で壁運動の早い胎児心臓においても十分とは言えないがトラッキングが可能であり,心房・心室の壁運動を別個に解析が可能で,両者の運動の関連性から房室伝導の検討が可能である事が新たに判明した. 今後,超音波診断装置のトラッキング解析のアルゴリズムの改良等によって胎児心室壁の運動を客観的に追尾する方法が可能である事が明らかとなった.
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Research Products
(1 results)