2011 Fiscal Year Annual Research Report
胎児発育不全におけるエピジェネティクス分析と関連遺伝子の解析
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22591831
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴森 伸宏 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (70326148)
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Keywords | 胎児発育 / 流産 / エピジェネティクス / 胎盤・絨毛 / 臍帯血 / 遺伝子多型 / DNAメチル化 / 不育症 |
Research Abstract |
胎児発育不全におけるエピゲノム解析・分子遺伝学的解析として、名古屋市立大学病院における妊婦を対象とし、子宮内胎児発育遅延(IUGR)の分娩後の胎盤からIUGR群、胎児発育が正常である妊婦をコントロール群としてその胎盤から症例を検体として採取し、臍帯血の血清とDNA、胎盤のパラフィン組織を保存し、胎盤検体はRNAlater保存、のちにRNAを抽出、cDNAを合成した。胎盤・臍帯血はDNA抽出、定量を行ってから保存し、Epitectを用いて、Bisulfite処理をしている。胎盤メチル化分析のため、IGF-II、H19のメチレーションPCRを施行しているが、組織によるばらつきが大きく同一検体であっても結果が不明瞭なことがある。一方、胎児(臍帯血)と胎盤のDNAメチル化を14染色体のエピジェネティック領域のプライマーで比較解析をしている。胎児発育不全による流産を繰り返す原因として、第一減数分裂のおける不分離が原因の1つとされ、習慣流産101名、コントロール82名より説明と同意の上で採血し、DNA抽出、SYCP遺伝子のエクソン1からエクソン8領域でプライマーを設定してPCRし、ダイレクトシークエンスで塩基配列を解析した。SYCPのエクソン8のスプライシング領域において653A>G変異を報告した。さらにアネキシンA5の遺伝子多型SNP1からSM)6の領域、FXII因子多型について本年度に収集した不育症患者とコントロールの検体を用いて、その遺伝子変異解析ならびに凝固系との関連を解析している。また、原因不明の胎児発育不全による子宮内胎児死亡症例においては、次の妊娠で再発する可能性もあり、なるべく胎盤染色体分析のみならずその原因検索のため説明と同意の上で病理学的解析を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胎児発育不全の症例について胎盤・臍帯血でエピジェネテック分析をしており、不育症症例についてはGermlineでのSYCP3、AnnexinA5、FXII多型の解析を行い、凝固系やそれに対する治療の必要性について比較検討しており、今後は統計学的に解析を加える予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
<本研究課題の今後の推進方策について> 研究計画の変更点としては、胎児発育不全と不育症についてそれぞれ別の観点からの解析が望ましいと考えられ、前者は胎盤・臍帯血とし、後者は母体血液のGermlineでの解析をするようにしていることである。また研究を遂行ずる上での問題点としては、前者は胎盤採取部位によってはPCRの結果にばらつきがあり、メチル化解析が容易ではなく、有意差を統計学的に鯉析することも困難が予想されるごどである。後者ではDNAは安定して採取できており、母集団も多いため多くの因子での遺伝子多型解析が可能と考えられる。
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Research Products
(6 results)