2010 Fiscal Year Annual Research Report
単一細胞遺伝子増幅とCDNA再利用定量PCRを用いた卵子形成過程の遺伝子発現解析
Project/Area Number |
22591835
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
持丸 佳之 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80445238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久慈 直昭 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80169987)
浜谷 敏生 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60265882)
高野 光子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20445240)
奥村 典子 慶應義塾大学, 医学部, 研究員(非常勤) (30571369)
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Keywords | 移植・再生医療 / 細胞・組織 / 発生・分化 |
Research Abstract |
本研究では、哺乳類の卵子細胞質形成過程を、主としてマウスをモデルとした各発育段階卵子の遺伝子発現解析を通して解析する事を目的とし、本年度は思春期前未熟マウスより採取した前胞状期卵胞を体外培養し、成熟卵にいたるまでの卵子を経時的に遺伝子発現解析するとともに、成熟マウス卵巣より採取したin-vivo各発生時期卵子の遺伝子発現解析を行い、両者を比較することによって正常卵子形成にともなう遺伝子発現解析を行う。これと平行して、、cDNA再利用法の単一卵子由来RNA試料への適用について検討する予定であった。体外培養卵と体内成熟卵の違いについては、7日齢マウス卵子を体外成熟・体外培養して得られたMII卵子と性成熟マウスからえられたMMII卵子の遺伝子発現パターンについて、発現変動がある6遺伝子のうち、Hyou1、Lzts1、Idi1についてRT-PCRによる確認を行い、この3遺伝子については有意に発現量が変化していることを確認した。各成熟段階の単一卵子遺伝子解析については、まずこの増幅法の信頼性を再検討した。若齢、老齢マウス各3個体から由来する卵子、おのおの3卵子ずつの遺伝子発現パターンを主成分分析したところ、若齢個体の遺伝子発現パターンは個体内・異個体間とも均一であったのに対して、老齢マウス2個体では同一個体の異なった卵子間では似たパターンを示したが異個体間では大きく異なった。さらに遺伝子発現解析を行う際、卵子からの総遺伝子抽出効率の差を補正するため、内部対照として卵子に発現する遺伝子を検討したところ、EeF1αが最も安定性が高かった。 cDNA再利用法の単一卵子由来RNA試料への適用については、原法を可能な限り忠実に再現するようにして試験的に3遺伝子を順を変えて増幅、定量値に変化がないかを検討したが、卵子からの抽出遺伝子のような極微量遺伝子では、現時点では各遺伝子の相対量が変わらない程度に再回収してRTPCRを行うことは困難であると考えられる結果となった。
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