2010 Fiscal Year Annual Research Report
胎児血管特性を応用したアデノシン誘導型DESの開発
Project/Area Number |
22591838
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
澤 倫太郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (30267174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯 克也 日本医科大学, 医学部, 講師 (60409216)
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Keywords | アデノシン / DES / 羊胎仔慢性実験モデル / 胎児結管 / アデノシンA1受容体 / アデノシンA2受容体 / アデノシンA3受容体 / in-stent-thrombosis |
Research Abstract |
【目的】成人冠動脈疾患の治療戦略として薬剤溶出性ステント(DES)が普及しているが、DES留置部の新生内膜の増殖による再狭窄や遅発性のステント血栓症の発生から、次世代DESが求められている。胎児血管においては限られた組織臨界酸素分圧に適応するためアデノシン活性が高く炎症反応や血小板活性は抑制される。この胎児血管の特性を導入した新しいDESの開発のための基礎実験として、羊胎仔に金属ステントを留置し、胎仔血管におけるA2a受容体を介したステント内血栓抑制の機序に関し検討した。【方法】胎齢110±5日の羊胎仔慢性実験モデルにおいて胎仔大腿動脈にバルーン拡張型ステントで繰り返す過拡張によるす内皮障害を与えたのち、内径4.0mmの金属ステントを留置、同時に母獣大腿動脈およびその分枝にも金属ステントを設置し、実験後28日後に胎仔と母獣血管のステント内損失径を比較、さらに胎仔血管に選択的A2a受容体拮抗薬(A269,Sigma)を局所投与し血管再狭窄率について統計学的に比較した。【成績】胎仔血管(n=20:2血管×10頭)のステント内損失面積(25.1±15.2%)は母獣血管(43.8±17.1%;n=14:2血管×7頭)に比較して小さい(p<0.01)。さらに胎児血管におけるA269投与群は非投与群に比しステント留置後再狭窄率は有意に高まった(p<0.01)。【結論】前年度、我々は胎児血管でのステント留置後の新生内膜増殖は主にアデノシンA1、A3受容体による抗炎症作用によって抑制されることを報告した。本研究では、胎仔血管におけるステント内血栓に対してA2a受容体を介して、この発生を抑制していることが明らかになった。この血管特性を薬理学的に再構成する場合、AIA3およびA2a受容体も含めた作働薬による薬剤コーティングが効果的であると考えられた。
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Research Products
(1 results)