2011 Fiscal Year Annual Research Report
胎児血管特性を応用したアデノシン誘導型DESの開発
Project/Area Number |
22591838
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
澤 倫太郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (30267174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯 克也 日本医科大学, 医学部, 助教 (60409216)
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Keywords | アデノシン / 次世代DES / 薬剤溶出性ステント / 胎児血管 / 羊胎児慢性実験 / ステント内再狭窄率 |
Research Abstract |
【目的】成人冠動脈疾患の治療として薬剤溶出性ステント(DES:drug-eluting stent)が普及しているが、ステント内再狭窄の問題から次世代DESが求められている。胎児血管においては限られた組織臨界酸素分圧に適応するためアデノシン活性が高く炎症反応や血小板活性は抑制される。この胎児血管の特性を導入した新しいアデノシン誘導型DESの開発を目指す事が本研究の目的である。羊胎仔慢性実験において、胎児血管でのステント留置後の再狭窄はアデノシンA1、A3受容体およびA2a受容体による抗炎症、抗血小板作用により抑制されることを明らかにした。今回は羊母獣および胎仔に金属ステントを留置し、成獣血管におけるアデノシ受容体を介したステント内再狭窄抑制の効果を検討した。【方法】胎齢110±5日の羊胎仔慢性実験モデルにおいて胎仔大腿動脈と母獣大腿動脈にバルーン拡張型ステントで過拡張による内皮障害を与えたのち、内径4.0mmの金属ステントを留置し、実験後28日後に胎仔と母獣血管のステント内損失率を比較、さらに母獣血管にlong acting adenosineであるPhenylisopropyl Adenosine(PIA)を局所投与し再狭窄率について検討した。 【成績】胎仔血管(n=20:2血管×10頭)のステント内損失率(25.1±15.2%)は母獣血管(43.8±17.1%;n=14:2血管×7頭)に比較して小さい(p<0.01)。さらに成獣血管におけるPIA投与群(33.2±14.8%:2血管×4頭)は非投与群に比し、そのステント留置後再狭窄率は有意に抑制された(p<0.01)。 【結論】アデノシンによる胎児血管特性を薬理学的に再構成する場合、羊成獣血管におけるステント内血栓に対してlong actin gadenosineによる薬剤コーティングが効果的であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
震災の影響で実験動物(ノーフォク種妊娠羊)の入手が困難になったため
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Strategy for Future Research Activity |
胎児血管におけるステント内再狭窄抑制は活性化されたアデノシン活性によることが明らかになった。成獣血管において陽イオンゼラチンヒドロゲルにアデノシン作働薬を混入しベアメタルステントへコーティングさせて再狭窄抑制の効果を判定する。
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Research Products
(2 results)