2012 Fiscal Year Annual Research Report
胎児血管特性を応用したアデノシン誘導型DESの開発
Project/Area Number |
22591838
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
澤 倫太郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (30267174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯 克也 日本医科大学, 医学部, 助教 (60409216)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 薬剤溶出性ステント / アデノシン / 胎児血管 / 2-chloroadenosine / アデノシン受容体 / ステント内再狭窄 |
Research Abstract |
【目的】成人虚血性心疾患の治療戦略として新生内膜増殖抑制剤をコーティングした薬剤溶出性ステント(DES)が普及している。しかし現在実用化されているDESは再狭窄に関連する炎症を抑えると同時に、血管壁の正常な修復反応も抑制するため次世代DESが求められている。一方で胎児血管においては限られた酸素供給に適応するためアデノシン活性が高く炎症反応や血小板活性は抑制される。この胎児血管の特性を導入した新しいDESの開発の可能性を探った。 【方法】胎齢108±4日の羊胎仔慢性実験モデルにおいて胎仔大腿動脈にバルーン拡張 型ステントで繰り返す過拡張による内皮障害を与えたのち、内径4.0mmの金属ステントを留置、同時に成獣(母獣)大腿動脈およびその分枝にも金属ステントを設置し、実験後28日後に胎児と母獣血管のステント内損失径を比較、さらに広域アデノシン受容体作働薬(2-chloroadenosine,2-CA)を含有させた陽イオンゼラチンヒドロゲルで被覆したアデノシン溶出型ステントを作成して繰り返すバルーン損傷を加えた成獣大腿動脈に移植し、血管再狭窄率について統計学的に比較した。 【成績】成獣血管の2-CA溶出型ステント(n=6:2血管×3頭)におけるステント内損失面積(31.7±14.9%)は、胎仔血管(n=16: 2血管×8頭)におけるステント内損失面積(27.1±14.3%)と同様、成獣金属ステント(45.4 ±16.9%;n=10:2血管×5頭)に比較して小さかった(p<0.01) 【結論】陽イオンゼラチンコートにより作成した2-CA溶出型ステントは、抗血小板薬投与なしで成獣血管におけるステント内再狭窄を抑制した。これは胎児血管においてアデノシン受容体を介した抗血小板、抗炎症作用により亜急性の血栓形成が防止され、新生内膜過形成が抑制されたのと同様の機序によるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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