2010 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腺腫およびその類縁疾患の診断と治療に関する包括的研究
Project/Area Number |
22591851
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宮本 強 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (70418721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高津 亜希子 信州大学, 医学部・附属病院, 助教 (90447730)
塩沢 丹里 信州大学, 医学部, 教授 (20235493)
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Keywords | 悪性腺腫 / LEGH / 胃型粘液 / MRI / 組織診断 |
Research Abstract |
子宮頸部悪性腺腫(minimal deviation adenocarcinoma, MDA)とその良性類縁疾患である分葉状頸管腺過形成(LEGH)の鑑別は極めて困難であり、とれまでの我々の研究でLEGHの約半数はMDAと診断され治療されていたことが明らかとなった。本研究では、これまで集積した症例を詳細に解析し、MDAとその良性類縁疾患であるLEGHや深部ナボット嚢胞(NC)各病変の臨床病理学的特徴を見出した。MDAとLEGHはともにHIK1083抗体で認識される胃型粘液の分泌を特徴とし、それのみでは鑑別が困難であるが、「中心に充実性部分、辺縁部に粗大な嚢胞構造をもち、間質への浸潤を示さない境界明瞭な病変」という特徴的なMRI所見を示し、さらに細胞診では軽度の細胞異型までしか認めない場合には92%(24/26)がLEGHであった。またMRIで充実腫瘍を示す場合には100%(5/5)MDAもしくは腺癌であった。このような細胞診、胃型粘液の検出、MRI所見は、LEGEとMDAの術前診断の精度を高め、これまでMDAと診断され拡大手術を施行されていたEGH症例を大幅に減少させえると考えられた。 次にEGHがMDAの前癌病変であるか否かを検討するために、まず、同一症例中にMDAとLEGHが共存する症例からlaser microdissection(LM)で各病変部のみを採取し、clonality解析を行ったところ、MDAとLEGHは検討した5例全例で単クローン性を示し、LEGHもすでに腫瘍としての性格を示していると考えられた。
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Research Products
(7 results)