2012 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腺腫およびその類縁疾患の診断と治療に関する包括的研究
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22591851
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宮本 強 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (70418721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩沢 丹里 信州大学, 医学部, 教授 (20235493)
高津 亜希子 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (90447730)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 悪性腺腫 / 分葉状頸管腺過形成 / 術前診断 / MRI / 細胞診 / クローン性 |
Research Abstract |
従来、子宮頸部悪性腺腫(MDA)と良性疾患である分葉状頸管腺過形成(LEGH)は、よく似た病態を示すために術前の鑑別は困難とされてきた。我々はMDAおよび術前診断でMDAと混同されやすい類縁疾患の合計112例を集積して中央病理診断および、画像や細胞診・組織診結果を検討した結果、MRIの特徴的所見や細胞診、円錐切除術による生検により、90%以上の確率でMDAや腺癌とLEGHなどの良性疾患を鑑別可能なことを示した。しかしながら、LEGHの自然史は未だ不明であり、先の検討でも腺癌やMDA症例の約半数がLEGHを伴っており、LEGHが癌の前駆病変となる可能性が考えられることから、LEGHに対して未治療の経過観察が可能か不明である。そこでLEGHの腫瘍としての性格についてクローン性の観点から検討した。 まず、MDAもしくは腺癌を伴うLEGH6例、単独で存在するLEGH9例でLEGH部分と悪性部分のDNAをレーザーマイクロダイセクション法で採取し、アンドロゲン受容体遺伝子(AR)の不活化パターンからクローン性を解析したところ、LEGH単独例では多クローン性 4/9例、単クローン性 5/9例であり、一方、解析可能な4例中3例で、LEGHはMDA部分と同様の不活化パターンの単クローン性を示し、その内1例のMDA部分のみにSTK11遺伝子の変異を認めた。一方、MDAなどの悪性腫瘍を伴わないLEGHの4/9例は多クローン性を示した。一方、MDA・腺癌を伴うLEGH部分は、多クローン性2/6例、単クローン性4/6例であったが、単クローン性のLEGHのAR不活化パターンは、悪性部分と同一であった。LEGHの一部は単クローン性で腫瘍としての性格を持ち、MDAや腺癌の前駆病変となる可能性が考えられ、その悪性化にSTK遺伝子変異が関与することが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)