2012 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜癌におけるlipocalin2発現の機能解析と分子標的治療法
Project/Area Number |
22591852
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鹿島 大靖 信州大学, 医学部, 助教 (70464089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩沢 丹里 信州大学, 医学部, 教授 (20235493)
宮本 強 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (70418721)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 子宮内膜癌 / lipocalin2 / SLC22A17 / 生存能力 / 紫外線感受性 / シスプラチン感受性 / アポトーシス |
Research Abstract |
我々はマイクロダイセクション法とマイクロアレイ解析を用いて子宮内膜癌で遺伝子発現が増強する因子としてlipocalin2(LCN2)を見出し、LCN2および、その受容体SLC22A17高発現が、予後不良因子となることをこれまでに示してきた。そこで、子宮内膜癌におけるLCN2経路の機能をさらに明らかにするため、内膜癌細胞株を用いて研究をすすめた。 内膜癌細胞株HHUAにshRNAを導入してLCN2発現を抑制したHHUA(LCN2抑制HHUA)を樹立し、培養内膜癌細胞の生存に関わるLCN2の作用について検討を行った。紫外線(UV)照射10時間後の生存細胞数は、LCN2抑制HHUAではコントロールHHUA細胞に比べて減少が大きく(74.6%減少 vs. 48.8%減少)、有意なUV感受性増強を認めた(P<0.05)。次にシスプラチン(CDDP)投与72時間後の生存細胞数はCDDP非投与と比較して、62.9%減少(LCN2抑制HHUA)と22.4%減少(コントロールHHUA)となり、LCN2発現抑制により有意なCDDP感受性増強を認めた(P<0.05)。また、内膜癌細胞株Ishikawa にSLC22A17を強制発現させるとCDDP感受性の低下が観察された。LCN2経路は鉄イオン運搬に関わるとされるが、鉄イオンをキレートすると、コントロールHHUAでもUVおよびCDDP感受性の増強も認めた。また、UV照射やCDDPによりLCN2抑制HHUAではアポトーシスの有意な増加が観察され、またWestern blottingではリン酸化Akt発現が減弱していた。 以上の結果から、LCN2-SLC22A17経路はAktリン酸化を誘導し、UV照射やCDDPによって誘導されるアポトーシスを抑制することにより、細胞の生存能力を高めていると考えられ、そこには鉄イオンが関与している可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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