2012 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科癌のプラチナ耐性獲得の機序解明とアネキシA4を標的とした新規癌治療法の確立
Project/Area Number |
22591854
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
榎本 隆之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい教授 (90283754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 豊 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10346215)
藤田 征巳 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60303963)
吉野 潔 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90362730)
木村 敏啓 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (90584524)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 子宮体癌 / 卵巣癌 / AnnexinA4 / 蛋白質 |
Research Abstract |
<子宮体癌の抗癌剤耐性に関与する蛋白の同定と機能解析> 子宮体癌細胞株7種類と不死化子宮内膜正常細胞株から膜タンパク質を抽出し、iTRAQ解析を行った。子宮体癌細胞株7種類中4種類以上で発現が子宮内膜正常細胞株と比較して2倍以上に増強していた膜蛋白を11種類同定した。その中で、特にBST2は臨床検体(子宮体癌118症例および正常子宮内膜59症例)を用いた免疫組織化学染色にて、子宮体癌に特異的に発現していることを見いだした。また抗BST2抗体の抗腫瘍効果は抗体依存性細胞障害性と補足依存的な細胞障害性を介することを明らかにした。また、xenograftを用いたin vivo実験にて、抗BST2抗体はNK細胞依存的に腫瘍の増殖を抑制することを見い出した。子宮体癌に対する抗BST2抗体の臨床応用の可能性が示された(Int J Cancer. 2013;132:472-84)。 <プラチナ抵抗性婦人科がんに対するAnnexin A4を標的とした新規癌治療法の確立> Cisplatin暴露後の細胞内プラチナ濃度はコントロール株に比し、Annexin A4導入株では有意に低下した。このことから、プラチナ排出の促進がプラチナ抵抗性の原因と考えられた。細胞二重染色を行ったところ、Cisplatin暴露後 Annexin A4は細胞質から細胞膜へと局在を変え、この際、銅輸送ATPase であるATP7Aも同様に局在を変えることが分かった。また、Annexin A4により誘導されたCisplatin抵抗性はsiRNAを用いたATP7AのノックダウンによりCisplatinのIC50はコントロール株と同等の感受性にまで改善した。すなわち、Annexin A4はATP7Aを介してプラチナ抵抗性を獲得していることが判明し、婦人科癌に対する化学療法の感受性向上につながる可能性が示された(投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)