2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤による卵巣機能不全の分子機構解明と予防方法の確立
Project/Area Number |
22591863
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
宇都宮 智子 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (60382355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 哲二 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80275255)
松岡 俊英 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70464675)
宇都宮 洋才 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60264876)
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Keywords | 卵巣機能不全 / DAP kinase / 抗癌剤 / GnRH agonist / CPT-11 |
Research Abstract |
抗癌剤による卵巣機能障害を回避するために、卵巣組織を凍結せずに抗癌剤の副作用を回避する方法として、卵巣組織を抗癌剤治療中のみ一時的に抗癌剤不応性状態に保つ方法を着想した。今回の申請研究の目的は、抗癌剤による卵巣機能障害の分子機構を解明することでより効率的な予防方法を確立すること、内分泌療法による予防法の至適投与条件を確立して、早急に臨床応用を目指した研究を展開することにある。 今年度は以下の成果を得た。 (1)GnRH agonistによる予防機序の解析:すでに、CPT-11誘発卵巣機能障害マウス実験モデルを確立しており、このマウス実験モデルを用いて、GnRH agonistによる予防機序の解析を行った。DAP kinaseシグナルとは異なるアポトーシスシグナル感受性を抑制することで、卵巣機能温存効果を証明した(諭文執筆中)。長期的な安全性も実証した(論文執筆中)。 (2)GnRH agonistによる予防機序の臨床応用解析:GnRH agonistには、マウス実験モデルからエストロゲン抑制を伴わない卵胞温存作用が有ることが証明されたことから、実際の妊孕性温存癌患者に投与された場合のGnRH agonistの効果を臨床内分泌学的に解析した。対象患者はおかれていないが、実際に抗癌剤治療後に早期の排卵、妊娠、出産に成功した症例が出てきている。 (3)各種抗癌剤による卵巣機能障害とアポトーシス関連分子の解析:マウス実験から、Fas-FasL以外に、p53経路が関与していることを証明した(論文執筆中)。 (4)臨床検体の病理組織学的解析:症例数がまだ集まらず、結論を出すには解析不十分である。次年度にも継続研究としている。
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Research Products
(4 results)