2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞アレイによる卵巣癌抗癌剤効果予測システムの構築と分子標的薬の探索
Project/Area Number |
22591865
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
津田 浩史 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00423880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 義男 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (10281594)
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Keywords | 上皮性卵巣癌 / TC療法 / 細胞アレイ / predictive marker |
Research Abstract |
【目的】細胞アレイにて、上皮性卵巣癌の標準化学療法であるcarboplatin(CBDCA)+paclitaxel(PTX)療法(TC療法)の感受性に関与する真のターゲット遺伝子を決定する。決定して遺伝子により、効果予測キット(オバリアンプリント)を作成して、同モデルに基づいた臨床試験を企画する。そして真のターゲットに対するリガンドをスクリーニングすることで、新規分子標的薬の開発に発展させる。 【平成22年度の成果】これまで我々は初回手術後にTC療法を施行した上皮性卵巣癌の凍結組織を用いて、補助化学療法の効果を予測しうる205遺伝子を抽出している(Gynecol Oncol 2010)。本年度は、抽出した遺伝子がパラフィン包埋組織より抽出したRNAにても再現性が得られるか否かを検証した。すなわち最終的に臨床応用を考えた場合、凍結組織よりパラフィン包埋組織を利用したキットの方が汎用性があると考えられるからである。具体的には7例で、凍結組織およびパラフィン包埋組織よりRNAを抽出し、WT-Ovation Pico and FFPE Systems(Nugen社)で処理後、Agilent Genomic DNA Enzymatic Labeling Kit(Agilent社)にて標識し、ヒトHuman Whole Genome tipにてアレイ解析を実施した。候補遺伝子205個で、凍結組織とパラフィン包埋組織との相関性を検証した。その結果、相関係数は0.901と高い相関性が得られた。相関性が特に良好であった156遺伝子により細胞アレイを作成中である。 【意義および重要性】今回の検討より、パラフィン包埋組織を用いた手法でも良好な結果が得られることが明らかになり、汎用性の高い効果予測モデルの開発が可能となった。
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