2011 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティックに制御される遺伝子を標的とした子宮体癌に対するRNA医薬
Project/Area Number |
22591866
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
阪埜 浩司 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70265875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野倉 恵 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (20433732)
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Keywords | miRNA / 子宮体癌 / miR-34b / メチル化 |
Research Abstract |
【目的】microRNA(miRNA)はnon-coding RNAであり、ヒトにおいて1000種近く同定されている。我々は子宮体癌(類内膜腺癌)においてエピジェネティックな異常メチル化により発現が抑制されているmiRNAを同定し、その癌抑制型miRNAとしての機能を解析することを目的とした。 【方法】ヒト体癌由来細胞株4種(SNG-II,HEC-108,HHUA,Ishikawa)を用い、脱メチル化剤(5-aza,100μM)を添加し、発現が2倍以上増加するmiRNAをAffinmetrix社アレイにて解析した。すべての細胞株において発現が上昇したmiRNAを抽出し、TaqMan PCR法により5-aza添加による発現の上昇を確認した。ICのもとに採取した正常内膜(n=9)と類内膜腺癌部(n=11)における候補miRNAの発現をTaqMan PCR法で解析した。さらに抽出されたmiRNAの標的遺伝子をin silicoで検討した。HEC-108に候補miRNAを遺伝子導入し、標的遺伝子の発現変化、flow cytometryによる細胞周期、colony形成能ならびに遊走能の変化を解析した。 【成績】821種のヒトmiRNAのうち、5-aza添加により4種すべての体癌細胞株で発現が上昇したのはmiR-34bのみであった。miR-34bはCpGアイランド内に位置し、p53により制御されている癌抑制型miRNAであった。臨床検体では体癌検体で有意に発現が低下していた(p<0.01)。miR-34b導入HEC-108では標的遺伝子であるMYCやMETの発現が減少した。コロニー形成能および遊走能は有意に低下し(p<0.05)、GIarrestの細胞割合が増加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養細胞を用いた実験において、当初の予定よりも条件検討に時間がかかった。しかし、条件決定後は、スムーズに実験が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは、培養細胞を用いた基礎的実験が主であった。今後は、ヌードマウスや臨床検体を用いた実験を行い、RNA医薬への応用を目指す。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Endometrial Cancer and Hypermethylation : Regulation of DNA and microRNA by Epigenetics
Author(s)
Banno K, Kisu I, Yanokura M, Masuda K, Kobayashi Y, Ueki A, Tsuji K, Yamagami W, Nomura H, Susumu N, Aoki D
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Journal Title
Biochemistry Research International
Volume: (印刷中)
Peer Reviewed
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[Journal Article] Biomarkers in Endometrial Cancer : Possible clinical applications
Author(s)
Banno K, Kisu I, Yanokura M, Tsuji K, Masuda K, Ueki A, Kobayashi Y, Yamagami W, Nomura H, Tominaga E, Susumu N, Aoki D
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Journal Title
Oncology Letters
Volume: (Review)(印刷中)
Peer Reviewed
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