2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591868
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
寺尾 泰久 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00348997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 聖子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10253527)
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Keywords | 子宮体癌 / 幹細胞 / 転移 / EMT / シグナル伝達 |
Research Abstract |
我々はside population(SP)細胞を分離する方法を用いて子宮体癌に幹細胞様の細胞が存在し、著明な運動能亢進や間葉系細胞への分化能を示すことを示した。今年度は、子宮体癌幹細胞に発現が増加している遺伝子群の中からepithelial-mesenchymal transitionに関与する遺伝子を選択しその性質を解析した。1)造腫瘍能を持つラット子宮内膜細胞RK12V細胞のSP細胞を用いて発現が亢進している遺伝子群をマイクロアレイでスクリーニングし、細胞基質蛋白SPARCを同定した。2)ヌードマウス皮下の子宮体癌細胞株Hec1-SP細胞由来腫瘍におけるSPARCの発現を免疫染色法で解析したところ、SPARCはHec1-SP由来腫瘍の間質および間質に接する腫瘍細胞に高発現していた。3)SPARC発現ベクターを作製し、子宮体癌細胞株Ishikawa(IK)に形質導入しIK-SPARC細胞を樹立し、SP出現率・細胞増殖能・造腫瘍能とともに、wound assayやtranswell assayにより遊走能を解析し、mock細胞と比較検討した。IK-SPARC細胞はmock細胞に比べSP出現率・細胞増殖能に変化はなく造腫瘍能は抑制された。遊走能は有意に亢進した。4)インフォームドコンセントを得て採取された正常子宮内膜・子宮体癌組織(類内膜腺癌)におけるSPARCの発現を免疫染色法で解析した。SPARCは正常子宮内膜では発現をみとめず、子宮体癌組織で発現しており特に低分化腺癌で発現が高かった。以上より、細胞基質蛋白SPARCは1)子宮体癌幹細胞に発現が亢進し、腫瘍間質形成に関与する。2)子宮体癌細胞の遊走能に対しては促進、造腫瘍能に対しては抑制作用をもつことが明らかとなり、SPARCは子宮体癌の微小環境や間質への分化、転移に関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子宮体癌幹細胞に発現が亢進している遺伝子群のうち、細胞の運動能に対しては細胞基質SPARCが重要であることを明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体を用いて、SPARCの発現と生存率との相関を解析する。
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Research Products
(5 results)