2010 Fiscal Year Annual Research Report
内耳疾患特異的iPS細胞を用いた新しい内耳病態解析モデルの確立
Project/Area Number |
22591878
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 隆之 京都大学, 医学研究科, 講師 (50335270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 典生 京都大学, 医学研究科, 助教 (70378644)
坂本 達則 京都大学, 医学研究科, 助教 (60425626)
北尻 真一郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (00532970)
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Keywords | iPS細胞 / 遺伝性 / 内耳再生 / 感音難聴 / 幹細胞 |
Research Abstract |
本研究では、iPS細胞技術を応用し、遺伝子異常による難聴モデルマウス由来iPS細胞を樹立し、内耳への分化誘導を行い、病態解析を行う方法を開発することを目的としている。平成22年度には、1)iPS細胞から内耳前駆細胞への分化誘導方法の至適化を図るために、Pax2発現を指標とした分化誘導に関する実験を行い、Pax2発現を確認した。各種誘導因子の濃度、曝露時間を変更し、最も再現性の高い条件を決定した。この条件をベースとして、ヒトES細胞およびiPS細胞でも同様の解析を行い、種間でかなり条件を変える必要があることが分かった。2)iPS細胞から誘導した内耳前駆細胞(Pax2陽性細胞群)を胎生期鶏卵形嚢由来間葉系細胞と共培養し、内耳細胞への分化誘導実験を行った。第一に、感覚上皮への分化誘導実験を行い、有毛細胞のマーカー陽性で感覚毛を有する細胞をえることができた。さらに、標的遺伝子産物の発現を確認し、有毛細胞を標的とした遺伝子異常モデルの解析に用いることができることを確認した。ラセン神経節細胞への分化誘導に関しては、これまでPA6細胞との共培養による神経分化誘導を用いていたが、液成因子にこれを置き換えて分化誘導する方法を用い、同様の分化誘導効率が得られることを確認した。血管条およびラセン靱帯をいった蝸牛外側壁構成細胞の分化誘導に関しては、種々の分化段階でのマーカーが明らかにされていないことから、生後1日目のマウス蝸牛外側壁の発現遺伝子の網羅的解析を行い、候補遺伝子を決定し、定量的PCRでの確認を行った。3)有毛細胞の感覚毛の根の発現タンパクであるTRIOBP遺伝子異常マウス皮膚繊維芽細胞から、iPS細胞を樹立した。
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Research Products
(13 results)