2012 Fiscal Year Annual Research Report
内耳疾患特異的iPS細胞を用いた新しい内耳病態解析モデルの確立
Project/Area Number |
22591878
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 隆之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50335270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北尻 真一郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00532970)
坂本 達則 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60425626)
山本 典生 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70378644)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 遺伝性難聴 / 内耳再生 / 感音難聴 / 幹細胞 |
Research Abstract |
疾患特異的iPS細胞を用いた病態解析の手法は、これまで組織採取が不可能であった内耳疾患の病態解明、治療法開発に有効な手段であることが期待される。内耳疾患特異的iPS細胞研究を具体的に内耳病態解析に用いるためには、効率的なiPS細胞から内耳細胞への分化誘導方法の確立が不可欠となる。この問題を解決するために、他施設から報告されたiPS細胞およびES細胞からの内耳への分化誘導方法の再現性評価、新規内耳分化誘導方法の開発を行った。他施設から報告されている方法として、Oshima et al., 2011のマウスES、iPS細胞からの内耳有毛細胞への分化誘導法、Chen et al., 2012のヒトES細胞から内耳感覚上皮および神経細胞への分化誘導方法の再現性評価を行った。結果、それぞれの方法でマウスiPS細胞、ES細胞から、免疫組織学的に有毛細胞のマーカー陽性の細胞が誘導可能であることが確認できたが、誘導効率は低いことが分かった。胎生10日目の耳胞組織を用いた再現性評価でも同様の結果が得られた。独自の方法として、接着培養系を用い、IGF1、EGFにWnt作動薬を加えた条件下で培養する方法をマウスES、iPS細胞を用いて検討した。結果、有毛細胞のマーカー発現効率は改善した。難聴遺伝子変異マウスとしてTRIOBP遺伝子欠損マウスの皮膚線維芽細胞からiPS細胞を樹立することができたので、この方法を用いて分化誘導実験を施行した。結果、正常iPS細胞と比較して、有毛細胞のマーカーであるmyosin 7aやespinの発現効率に明らかな差は認められなかった。電子顕微鏡での形態解析では、形成される感覚毛様構造が不良であり、TRIOBP遺伝子欠損による感覚毛の脆弱性を証明することはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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