2010 Fiscal Year Annual Research Report
加齢内耳における老化遺伝子の変化と熱ショック応答について
Project/Area Number |
22591882
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
菅原 一真 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (20346555)
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Keywords | 内耳 / 老化 |
Research Abstract |
加齢内耳における熱ショック応答減弱の原因を明らかにし,将来的に老人性難聴の予防法の開発につながる研究を行うため,老人性難聴マウス(DBA/2J,C57/b6)8か月齢,通常のマウス(CBA/N)8か月齢を用いて実験を行った。摘出した内耳より蛋白質を抽出し,熱ショック応答について検討した。その結果,老人性難聴マウスの内耳では熱ショック蛋白質の発現が低下していることが明らかになった。されに,これらの動物を強大音に暴露すると,通常のマウスでは熱ショック蛋白質の発現が増加したのに対し,老人性難聴マウスでは熱ショック蛋白質はほとんど増加しなかった。この結果からは,内耳の老化と熱ショック蛋白質の発現に重要な関係があることが明らかにされた。次にこれらの動物より摘出した卵形嚢を培養して実験を行った。卵形嚢培養は過去に報告した方法(Sugahara et al.2006)で通常の培地(BME/EBSS混合,FBS5%)を用いてCO2インキュベーター内で行った。ストレスを付加し熱ショック応答を誘導するために,培養開始6時間後に42℃の培養器で1時間熱ショックを行った。通常の培養を24時間行った後,サンプルを液体窒素で凍結後ホモジナイズしtrizolとキットを用いて速やかにRNAを抽出し,RT-PCR法により,Sirt1遺伝子の発現,熱ショック蛋白質(Hsp70,Hsp27)の発現を評価した。しかしながら,これらの結果は一定の傾向を示しておらず,今後の実験について検討する予定である。
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Research Products
(5 results)