2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス性顔面神経麻痺の重症化メカニズム解明と後遺症を残さない治療法の開発
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22591886
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
村上 信五 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80157750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱島 有喜 名古屋私立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30343403)
飛田 秀樹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00305525)
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Keywords | 顔面神経麻痺 / 塩酸ファスジル / Rho |
Research Abstract |
従来中枢神経は再生しないと考えられてきた。しかし、一旦阻害されると、Rho、Racなど種々のG蛋白が発現し、神経再生が促進されることが明らかになっている。塩酸ファスジル(エリル)は、平滑筋のCaチャンネルを阻害して血管を拡張し、クモ膜下出血後の患者の血管攣縮を防止することを目的に認可された薬で、国内外で広く用いられている薬である。近年、ファスジルはRho-kinaseを阻害することにより神経再生を促すことを示唆する実験結果が報告されている。末梢神経は中枢神経と異なり再生能があることは明らかにされている。外科的な吻合によっても末梢神経の機能は再生するが、再生した神経の機能はまだ不十分であるのが問題である。顔面神経においては左右の機能差が目立つため、より再生を促進する方法、薬剤などの開発が求められている。 今回我々は顔面神経麻痺圧迫モデルマウスに対するファスジルの効果を検討した。顔面神経を側頭骨外で圧迫し、術後より3日間ファスジルを1、3、10mg/kg/dayで腹腔内投与した。ファスジル投与群においてdose dependentに顔面神経麻痺の回復が促進された。電気生理学的に検討したところ、振幅の回復が有意に促進された。現在、ファスジル10mg/kg投与群と、非投与群と、コントロールとしての正常神経を組織学的に比較検討するため、頸部の組織切片を作成している。
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