2012 Fiscal Year Annual Research Report
緊張部型中耳真珠腫の成因・進展機序の解明、予防と手術的治療に関する研究
Project/Area Number |
22591891
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
森山 寛 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60125036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内水 浩貴 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00307414)
志和 成紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (20235766)
吉川 衛 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50277092)
山本 和央 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50408449)
小島 博己 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (60234762)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 緊張部型真珠腫 / 表皮細胞 / 線維芽細胞 / 粘膜再生 / 増殖と分化 / キャスペース14 / 遺残真珠腫 |
Research Abstract |
線維芽細胞:中耳真珠腫は上皮下の線維芽細胞が局所免疫を制御しパラクラインによる上皮細胞の増殖にも関与。中耳真珠腫由来の線維芽細胞に過剰発現している遺伝子群の中から、増殖因子のエピレグリンについて検討した結果、感染等により活性化された角化上皮がIL-1を産生し、中耳真珠腫の線維芽細胞からのエピレグリンの産生を促し、再び角化上皮の増殖や分化に関与する経路が存在、かつ過剰に産生されたエピレグリンが中耳真珠腫病態を左右する可能性が示唆された。 粘膜再生:動物実験にて温度応答性培養皿で家兎鼻粘膜上皮細胞シートを作製し、中耳へ移植し良好な粘膜再生が確認され、組織学的にも機能的評価(中耳腔の圧測定)にも良い結果を得られた。また東京慈恵会医科大学倫理委員会の承認の下ヒト鼻粘膜上皮細胞シートの作製に成功し、組織学的に人の中耳粘膜上皮とほぼ同等のことが確認。従って鼓室形成術において病的粘膜除去後の骨面に鼻粘膜上皮細胞シートを移植することで、正常粘膜の再生により中耳腔や乳突腔が正常に機能し、創傷治癒の促進および中耳真珠腫の再発や鼓膜再癒着の防止が期待される。 遺残真珠腫上皮の消失:上皮細胞の分化に関係するキャスペース14が真珠腫上皮細胞に特異的に発現していることを確認。キャスペース14の上流領域をプロモータースキャンし、700bp辺りにプロモーターが存在し、ルミノメーターで計測したところ活性が強い可能性が確認された。そこでこのプロモーターを使用し、EGFPとともにアデノウィルスシャトルベクターに導入する事でCasopase-14のプロモーターとEGFPを有するアデノウィルスを作製し、角化上皮、線維芽細胞、SCC9細胞に感染させEGFPを観察したところ上皮細胞ケラチノサイト、SCC9細胞で強く発現を認めた。これらの結果よりキャスペース14 プロモーターが遺残真珠腫上皮の消失に役立つ事が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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