2013 Fiscal Year Annual Research Report
蝸牛内リンパ腔電位の調節における辺縁細胞Ca2+透過性チャネルの役割
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22591892
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
森 禎章 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (70268192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 京子 (高巻 京子) 大阪医科大学, 医学部, 助教 (40368105)
乾 崇樹 大阪医科大学, 医学部, 助教 (60465614)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 蝸牛内直流電位 / 細胞内Ca2+濃度 / L型Ca2+チャネル / PKC / PLC |
Research Abstract |
本研究は蝸牛内直流電位(EP)の発生・調節機構を、EP発生細胞のCa2+透過性チャネルの機能をもとに解明することを目的としている。これまでの研究において、無呼吸負荷時にはEPの著明な低下が観察されるが、これが内リンパ腔への膜透過性Ca2+キレート剤やL型Ca2+チャネル阻害剤の投与により抑制されることを明らかにしてきた。この事実は、無呼吸負荷によりEP発生細胞のL型Ca2+チャネルが開孔して細胞内Ca2+濃度が上昇することが、EP発生機構を抑制することを示している。また、PKCのうちCa2+非感受性アイソフォームであるnovel PKCの阻害剤を内リンパ腔に投与することでEPの低下がに抑制され、活性化剤を投与することによりEPが低下することを明らかにした。さらに、novel PKCを活性化させる因子を検討し、フォスフォリパーゼC(PLC)阻害剤を内リンパ腔に投与すると、無呼吸負荷によるEP低下が抑制されることを見出したため、無呼吸負荷時には低酸素によるPLC活性化がnovel PKCを活性化させ、これによりL型Ca2+チャネルがリン酸化されて開孔することで、EP発生細胞内のCa2+濃度が上昇してEPが低下する可能性が示唆された。また、無呼吸負荷時には内リンパ液のCa2+濃度が著明に上昇する事が判明しているため、本年度はCa2+濃度を様々に設定した人工内リンパ液を内リンパ腔に注入し、EPへの影響を観察した。この結果、内リンパ液のCa2+濃度はEPにはほとんど影響せず、高濃度Ca2+溶液にカルシウムイオノフォアであるionomycinを加え、内リンパ腔のCa2+透過性を人工的に上昇させたときのみEPの低下が観察された。以上の結果より、EPの発生・調節機構には内リンパ液Ca2+濃度ではなく、内リンパ腔を取り巻く細胞の細胞内Ca2+濃度が関与していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)