2010 Fiscal Year Annual Research Report
キメラ分子による好塩基球活性化の制御とスギ花粉症の新規治療
Project/Area Number |
22591896
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山田 武千代 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (70283182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂下 雅文 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (40555455)
窪 誠太 福井大学, 医学部附属病院, 医員 (80401983)
藤枝 重治 福井大学, 医学部, 教授 (30238539)
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Keywords | スギ花粉症 / 好塩基球 / IL-4 / アレルギー / TSLP / Th2 |
Research Abstract |
刺激されたマウス好塩基球の上清で線維芽細胞を作用させると、機能性DC2を介して炎症性Th2細胞に分化させるTSLPが分泌されることが示されているが、ヒトでは検討されていない。スギ花粉症患者の好塩基球活性化と鼻粘膜由来線維芽からのTSLP産生を検討した。スギ花粉症患者から末梢血リンパ球を採取し、MACSで磁気ビーズを用いて好塩基球を分離した。手術時に採取した鼻粘膜を用いて細切して組織片を3~4週間培養し線維芽細胞を分離培養し5~6継代した後実験に用いた。スギ花粉症患血液の好塩基球を採取し、種々の条件下で、Cryj1で24時間処理し好塩基球培養上清を保存。その上清で線維芽細胞を刺激し24時間後に培養した。 1. スギ抗原で刺激されたヒト好塩基球の培養上清により、気道粘膜由来線維芽細胞からのTSLP産生は有意に増加した。 2. スギ花粉症患者自己IgGを高濃度で作用させることにより、ヒト好塩基球による気道粘膜由来線維芽細胞からのTSLP産生を抑制した。 3. スギ抗原刺激によりヒト好塩基球からのIL-4とIL-13の産生が有意に増加したが、特にIL-4の産生は著明であった。 4. スギ抗原刺激ヒト好塩基球の培養上清による線維芽細胞からのTSLP産生は抗IL-4Ra(CD124)阻止抗体の処理により有意に減少(40%)した。 スギ花粉症でも好塩基球がIgE依存性アレルギー疾患の責任細胞であり、Th2応答や適応免疫応答である2次抗体産生を制御していると考えられる。好塩基球は、アレルギーなどの抗原特異的な免疫反応で、司令塔として重要な役割を果たしていると考えられる。
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Research Products
(10 results)